輪廻
@rurinara
第1話
これは私の物語
今日も孫を幼稚園へ迎えに行き帰路へ。
私「今日も楽しかった?」
孫「うん。かけっこしたよ。1番だったよ。」
私「わぁ、すごいねがんばったね。」
日常のやり取りだ。
この日、日常でない事が起きた。
あれ?
なんか、、、
後ろにイヤな感じ
咄嗟に道から少しズレるとゆっくりと車が私たちを追い越した。
私の様子に孫は怯えている。
孫「ばぁばどうしたの?」
私「あ、ごめんなんでもないよちょっとよろけちゃった。」
孫「もう!しっかりしてよね〜笑」
私「はーい笑」
また今日も孫と家路を急ぐ。
あれ?
昨日あれから家に帰ったっけ?
まぁ帰らない筈ないんだけど、なんだろう違和感がある。
私「ねえ昨日ご飯って何食べたっけ?」
孫「私の大好きなの手羽先だったでしょ。ばぁば私のお肉の係だったじゃない。忘れちゃったの?」(手羽先の骨を外せない孫の代わりにひたすら外します。)
私「うーん。あんまり覚えていないんだよね〜。
孫「まったく〜おばあちゃんだなぁ。」
気付けばいつも通らない通りを歩いていた。
時々コースを変えて歩いているので孫は気にしていない。
夕方に人気の無い道は通らないようにしているのに、、、
おかしいな?え?私少しボケてきちゃったの?
また後ろにイヤな感じがした。
車が通過しようとしていた。
この辺りの道路は本当に狭い。
立ち止まって車が過ぎるのを待つ。
ドンッ!
え?当たった?こっち止まってるのに?
孫に怪我は無さそうだ。
私は打身といったところだろうか。
文句を言いたくても車は去ってしまい、暗くてナンバーもよく見えない。
もういいや。早く帰りたい。
すると後ろから人が駆け寄って声をかけてきてくれた。
男「大丈夫ですか?危ない車でしたね。すぐそこ、ウチの会社でスタッフもまだいるのでよかったら少し休んで下さい。」
人通りの少ない道、貴重な目撃者だ。
私「ありがとうございます。じゃあ本当に少しだけ休ませていただいてよろしいですか?。」
男「勿論です。どうぞ。」
男性に案内されたオフィスはその道路からさらに細い路地を上がった場所にあり灯りがまだついていた。
優しそうな若い女性が孫をソファーへ座らせお菓子を差し出す。
手を伸ばす孫。
私「ダメよ。帰ってからご飯だからね。お菓子は我慢してね。ママがいいよって言わないとお菓子は食べちゃいけない約束だよね。」
拗ねる孫。女性がシーッとしながら孫にチョコレートを1つ掌に握らせていた。
(見えてるんですけど〜)
この時何故すぐに警察に連絡して当て逃げの被害届けを出さなかったのだろう。
余程動揺していたのか?この時はそんな事頭をよぎりもしなかった。
娘に連絡しなければと思いながらも、その男性と少し話していた。
それから、、、どうなった?
孫は?此処は?
私はまた違う場所に立っていた。
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