天才な妹とシスコン姉の話

牛寺光

エビチリでストレスは無くなる?

さて、唐突だが私には頭がヤバいほどいい中学2年生の妹がいる。初めて話したのは三歳とまあ一般的な時期だが初めて話した言葉は「医学の進歩は世界の進歩」と言ってのけたのだ。これを天才と言わずしてなんと言おう。

そして私は妹が大好きという言葉で表せないほど妹が好きだ。さらに今は自粛期間ということで家にいる時間が長い。

この二つから導ける結論は不謹慎ながら妹との時間が取れるから最高、ということである。


さて唐突になってしまうのだが僕には最高に可愛い高校2年生の姉がいる。不器用でジェンガすらままならない癖に料理は人に食べてもらうのが嬉しいから、と勉強し続けて一流には劣るものの普通にレストランで出しても文句を言われない料理を作れる様になった姉が。

さてここまでで僕の姉のいいところを紹介してきたけど僕の大切な大切な姉に手を出したいとか考えた奴がいるならその喧嘩かってやる、かかってこい。

さてこんな僕だから姉と一緒にいると不届きな考えしか出てこない。そして今は自粛期間、つまり軽く地獄だということである。


「暇。」僕の大切な姉がなんか言い出した。

そんな姿も可愛い。ただ僕もそろそろ暇になってくる。暇すぎてプログラミングソフトを作ってた。もう自粛が始まって一ヶ月、どこにも行けずにいる。姉を守るためとはいえ家から出れないのは辛い。なぜなら一緒の家に住んでるから発散できない、なにをとはあえて言わないけど。


私が暇だと宣言し愛しの妹に温かい目で見られた次の日。私は大量のエビと向き合っていた。

理由は簡単エビチリを作ることにした以上。最近は通販がすごい、翌日配達とかやってくれるんだもん。ただネットショップを主に使ってるのは妹だから使わせて貰おうとしたらなんか拒否されちゃったから買い物は妹がしちゃった。そこだけ不服。


昨日から可愛い可愛い姉が不機嫌だ。ただ不機嫌でいる時も優しくてなんかいつも通り可愛い。ただこのままというのも寂しいので機嫌を直して欲しい。

ということで問題を解決したければ原因を探るということで不機嫌になり始めたのは…多分ネットショップの利用を難癖つけて断ったからかな。だってしょうがないじゃん、配慮を欠かさず真面目な姉は直接買いに行く派でネットショップを使うの僕だけだと思ってたから見せられない物いろいろ買ってるんだよ。


さて愛しの妹は一人でパソコンに向き合っているみたいだしさっさと作っちゃいますか。愛しの妹から貰ったエプロンをつけて下ごしらえから。

殻が剥がれてない奴なのでまず殻を剥いていく。

内臓はとってあるのであとは少量の油で揚げながらタレを絡めて終わり。そしてちょうど別に用意してたご飯も炊き上がった。揚げ焼きも終わりタレもご飯が進むようにと愛しの妹が好きだから少し辛めに味をつける。それが終わったからあとは机に持っていくだけ。皿には盛らない、洗い物もう増やしたくない。


どうやって機嫌を直して貰おうか考えてたら、姉が美味しそうな匂いのするフライパンを持ってきてくれた。いつも以上に料理らを褒めたら機嫌直してくれるかな。よし、試してみよう。配膳が終わった時に気づいてしまった。菜箸がないことに。それはつまり自分の箸で取っていいということでは?さらにいえば姉の箸が当たったエビをとればそれはもう間接キスと言っても過言ではないのでは?

「あっ、ごめん菜箸持ってくるの忘れちゃってたね。今持ってくるね」今のご時世やっぱり間接キスダメだよね、それはわかってるけどさ。あれなんか涙出てきちゃったな。

「大丈夫!?どこか痛い?私なんかしちゃった?」本気で心配してくれてるトーンで言ってくるからなんか本当のこと言いづらい、ただ間接キスできなくなっちゃって泣いたとか。とりあえず首振って誤魔化す。「そう?じゃあ食べよっか」納得いかないという態度ながらも話したのはを流してくれた。こういうなにも聞かずにいてくれるところカッコいい。


さて私が菜箸持って来た途端に可愛い妹が泣いちゃったこともあったけど……菜箸置いてくるか?いや今のこの時期はだめだ。ごめん、許してください。

気を取り直して食べ始めよう。早速エビチリを食べてみる。ぷりぷりのエビに少し辛めのタレがかかっててご飯が進む。火入れすぎちゃったかなとも思ったんだけどそんなことなかった。


僕の可愛い可愛い姉が美味しそうにエビチリ食べているのをみて癒される。僕も食べてみることに。

早速エビを食べる。僕の好みに合わせてくれてるのか辛めな味。しかも味が気持ち濃いめにつけられててご飯が進む。エビの身一つでご飯三口いける。なんか感謝せずにはいられない。そんな味がする。そうだ、料理褒めようって思ってたのに美味しすぎて忘れちゃってた。まあもう笑顔だから多分大丈「そうだ、なんでネットショップ使っちゃダメなの?」えっ?忘れてくれてなかたった、「なんでもないよ、ただ恥ずかしいかっただけだから」ん?これ墓穴掘ったのでは?「絶対馬鹿にしないから」「絶対やだ」


この日はこんな不毛な言い合いが午前の一時まで続いたのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天才な妹とシスコン姉の話 牛寺光 @511150380031011075

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ