第15話 闇深いステータスウインドウ
「じゃあ、リーダーのマリアからよろしく」
「うんっ!!」
【無慈悲なる
【マリア?】無慈悲なる
体力 395? 魔力 3835? 力 10?
【呪術師?】レベル25?
【術】
・操り人形?
・火炎魔法?
・風魔法?
・闇魔法?
・五寸釘?
【スキル】
・魅了?
・精神汚染?
んん??なんか殆どの項目にクエスチョンマークが付いてるんですけど??どういう事?バグってんの?しかも操り人形って名前なんか怖いし、魅了と精神汚染ってのもヤバさしか感じない。それにスキルだからね・・・魔力消費せずに使えるってことだろ・・・うん、まぁ魔力もあるし強いから良いか・・・うん良いよね?
「マリアのステータスウインドウってなんでいろんな項目に『?』付いてるんだ?」
「良く分かんないんだけど子供の頃からずっとあるんだー不思議だよねー」
「理由知らんの?」
「うん!聞いたけどみんなわかんないんだってーへんだよねー?」
「・・・まぁいいか。次は兄貴のよろしく」
「あぁ。あんま面白みのねぇステータスだがな」
【無慈悲なる
【アクス】苦労請負人
体力 3950 魔力 1341 力 3305
【射手】レベル35
【術】
・魔弾(全属性:中)
・時限爆弾
・画像識別誘導ミサイル
・地中貫通爆弾
【スキル】
・統率する者
・穢れなき精神
面白みのないと言うより、ツッコミどころしかないステータスだろ・・・。術、後ろ3つなんか銃弾じゃねーじゃねーかよ!!銃弾じゃないとか意味わかんねーよ!!どこの国の有事だよ!!!アクスの技もマリア並みにやべーだろっ!!!これレベルUPしたらいよいよヤバい術しか覚えんだろ!!
この穢れなき精神って要は精神攻撃受けにくいって感じっぽいから、マリアのスキルを受けても跳ね返せるのか・・・。うーん、まぁ万が一みんなが精神攻撃受けて流されてもアクスが居れば大丈夫そうだな。つーか、別に魔銃じゃなくても剣で戦える位強くないか?
「兄貴って結構体力と力あるんすね?・・・なんか強くない?」
「まぁ頑張ったからな!!」
頑張ったの一言で片付く程こんなに強くなるもんかな?と懐疑的に思う。それとも俺が弱すぎるだけなのか?
「矛牛テイルと戦った時、魔弾しか使ってなかった理由ってなんかある感じ?」
「今ひとつ使い勝手良くねーっつーか、良くわかんねーまま爆発起こすから危なくて使えね〜んだ」
「多分魔弾より戦いやすい気がするんだけど・・・確認は明日以降で良いか。次はミラのをよろしく」
「はいはーい!!ミラちゃんのドーン!!」
【無慈悲なる
【ミラ】銭ゲバヒーラー
体力 1560 魔力 1350 力 35
【回復師】レベル20
【術】
・回復術(中)
・手術(中)
・緊急支援(下)
【スキル】
・有償の愛
・むしり取る
術は某非営利団体みたいな雰囲気あるのにスキルが真逆じゃね?銭ゲバヒーラーの称号も伊達じゃなーな!
「術とスキルの説明頼んで良いか?」
「うん♪任せて!!ーー術の『回復術』は体力を回復させるだけで、同じ回復魔法なんだけど『手術』は傷口塞ぐの。ダンジョンでセイさんに使ったのは両方だね!!あんまり手術取得している人いないんだよ?大抵の手術獲得した人は冒険者辞めて医者になる人多いんだよね〜儲かるし」
「ん?じゃあなんでミラは医者にならないんだ?」
「まだ中級の手術だから、貴族相手にボロ儲け出来ないんだよね。それならダンジョンで回復薬で治せないケガした人にあった時金巻き上げながら鍛えた方が儲かるし!!」
「成る程!!ダンジョン内なら思考も麻痺しているだろうし、選択肢が地上に死ぬ思いで戻るかミラに助けて貰って仲間の足を引っ張らず地上に戻るかしか無いもんな。しっかり考えているんだな〜」
「えへへ〜」
銭ゲバだが金のことに関しては頭が働く様だ。普通に感心したわ。
「『緊急支援』は防御力上昇とか回避率上昇とかセイさんにも使った事あるやつだね。スキルの『有償の愛』は金品と引き換えに術全部を一気に多くの人達に掛けるスキルなんだけど、用意した金品の価値によって範囲と効果が決まるよっ!!頼まれた事ないからパーティーで試しただけなんだけど、金貨1枚なら3人同時にかけられるよ」
「結構便利良い術多いな・・・。」
「でしょー!!最後の『むしり取る』は回復魔法を私の意思を捻じ曲げて使わせたら勝手にその人の財産を徴収するんです!!凄く無いですか!?しかも常時発動されているスキルなんで、Aランクの冒険者になって貴族に目をつけられたらガッポガッポですよ!!!!」
後悔する貴族が溢れることは遠くない未来の様な気がすると思いながら、セイは愛想笑いでミラの話を流した。
「じゃあユリアナよろしく」
「ええ。どうぞセイくん、ちゃあ〜んとぜ・ん・ぶ見てね?」
「ちょっと近いんすけど・・・」
ソファーの横に座って豊満な胸を腕に押しつけながら、短いスカートから覗く足を組み太ももの上でステータスウインドウを開いた。
わざとだ・・・十中八九わざとだ・・・。まぁ脚白くてきめ細やかであともう少しでーーっていかんいかんコイツの掌の上で転がされるのは嫌だ。シロが犬だった時のお腹もこの脚に負けないくらい魅惑的だったから、それを思い出そう!!うん。シロのお腹可愛かったなぁ・・・。
「ちょっと!!ちゃんと見てる!?」
怒ったユリアナに声をかけられ意識を戻した。危なかった、シロの事考えすぎて涙が出そうだったよ・・・コンチクショー。
「悪いちょっと考え事してたから」
「もう!!しっかりしてよね」
【無慈悲なる
【ユリアナ】万年発情期
体力 3500 魔力 2650 力 145
【魔法使い】レベル38
【術】
・魔法(全属性:上)
・束縛
・重過ぎる愛
・貴方と合体して一つに(禁)
【スキル】
・命尽きるまで
・私だけを見て
ん?んん??
「えっ・・・と・・・、説明して貰いたいんだけど・・・」
もう色々頭が追いつかなくなってきた。なんでこんなに理解できないんだ?これが普通なのか??至急他のCランク冒険者のステータスを確認したい!!
コイツが1番病んでんじゃねーか!!「(禁)」ってなんだよ!!R指定の禁なのか禁術なのか判断つかねーよっ!!
「魔法の下3つは無属性魔法なのよ。『束縛』は無属性の鎖で身体的に動けなくして、重過ぎる愛は重力系の魔法で押し潰すわ。『貴方と合体して一つに』は私に見つめられて10秒経ったら魂を取り込む事ができるの」
あっ禁術の禁ね、納得したわ。本当に取り込まれちゃう話だったんだね。
「私だけを見ては、このスキル発動したら私から目を逸らせなくなるわ。命尽きるまでは、術と合わせると便利なスキルなの。『重過ぎる愛』と『命尽きるまで』を同時に行うと死ぬまで重力魔法から抜け出せないのよ。ね?便利でしょ?」
ユリアナの術とスキルが完全に相手を殺しにかかってるんですけど!?
「すごいな・・・。一人でAランク狙えるだろ・・・。」
「ひどいわっっ!!私一人でAランク目指せって言うのね!?彼氏なのにそんな酷いこと言う人なんて思わなかったわっっ!!傷付いたわセイくん・・・責任とってこの婚姻届にサインしてくれるわよね?」
「じゃあ、今度はシロと俺のな」
どこからか婚姻届と思われる紙を出してきたが無視して、足元にいるシロのステータスウインドウを出す。シロはテーブルの上に乗ろうとガタンガタン跳ねるが犬の時とは違い登れるはずもない。シロをテーブルに乗せたいがマリアに降りてもらうのも足をパタつかせ、居心地が良い様なので言いづらい。
「仕方ねぇーな。ほら、シロこっち来い」
アクスが呼ぶとガタガタ向かって行き、アクスが抱えてテーブルに乗せてくれた。流石気遣いの兄貴。
テーブルに乗りみんなに自分のステータスをよく見える様に中心に鎮座した。
【無慈悲なる
【シロ】セイの愛宝箱
【木の宝箱】レベル9
【術】
・噛み付き
・捨て身タックル
・オウム返し
・吐き出し
【スキル】
・異空間収納
・宝箱
「捨て身タックルは使わないからそこんとこよろしくな」
「ただダメージ受けて壊れないと思うけど?」
「分からないだろ!!俺の唯一の家族なんだぞ!!憶測で危険な事させられるか!!」
「ダンジョンでシロに頬擦りしながら泣いていた位だからな。俺もシロには憶測で危険な事をさせるべきじゃねーと思う。宝箱だからどんな事で壊れるのかも分かんねーし、体力とかの数値がねーのが気になる・・・」
そういえばなんでシロには数値がないんだろうか?愛するシロは謎の生命体になってしまった・・・。
「でも、これで重い物を持たずに探索できるわね」
「わーいっ!!シロさんのお陰でらくちんだー」
「セイの優秀な宝箱だからな!!」
「その分俺が劣等なんだけどな・・・」
「はい、セイさんどーんですよ!!」
「はいはい・・・」
がっかりリアクションが分かってんのに開かないといけないって結構地獄だよな。親しくない奴から昨日テレビで観たまんまの話をされる位反応困るよな・・・。
【無慈悲なる
【セイ】シロの飼い主
体力 75 魔力 50 力 20
【媒介者】レベル5
【術】ー
【スキル】
・シロへの意思伝達
・シロの躾
・以心伝心
・緩和剤
「なんか変わった・・・けど・・・媒介者って何?俺遂に病原菌にでもなるのか!?」
「んー媒介者って関係の無い間を取り持ってくれたりとかつなぐって意味だよーだからセイさんにぴったりだね!!僕らをつないでくれるんだね!!」
「良いように言ってくれたけど、術もなけりゃまだレベルも低いからな・・・。お前らと比べたら虫レベルやぞ?煽てくれたのが逆に虚しいわ!!」
「じゃあ明日からはセイのレベル上げとみんなの術と連携を鍛えるって事で良いのか?」
「流石兄貴!!そう言う事だから、今日は交流会って事で良くね?」
「さんせー!お菓子作るねー僕料理、得意なんだーまっててね♪」
「私は飲み物買ってくるね」
「あっ買い出しなら俺も一緒に行くよ。シロがいた方が荷物持たなくて済むだろ」
ーーぱこん!!
「わーっセイさんシロちゃんありがとうっ」
「あー、じゃあ俺もセイ達と一緒に行くぞ。ミラが余計なもん買わねーか見張らなきゃなんねーからな」
「私はマリアちゃんのお料理のお手伝いするわね」
「ユリよろしくねー」
なんだか一気に仲間が増えてしまったが、こんな感じも悪くは無いな。
俺は異世界に来てこの日初めて楽しい1日を送った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます