怖い話㉙

564219

締め付ける者

これは、私が昨日体験したお話だ。


 この日はレポートに追われていて寝たのは1時は軽く過ぎていた。寝るときに、いつも携帯をみて通知が来てないかどうかを確認してから寝るのが日課となっている。


私「また来てるよ。」


 あるゲームで知り合った方と顔文字でとあるSNSでよくやり取りをしている。毎回、なぜか頭がおかしな顔文字を送ってくることは忙しい私にとって楽しいひと時でもあった。


私「もう寝るか…」


 結局本当に寝たのは、2時ちょっと前となっていた。


 いつものように、扇風機のタイマーを2時間にセットして、睡眠用BGMを動画サイトで探して流しながら寝ていた。寝始めて本当にすぐだったと思う。


 誰かが私のからだを四方八方から押さえつけてくるのだ。最初は金縛りかなと思ったが、眼が動き声も出せそうだった。しかし、その誰かは私の体と顔を必死に押さえつけてきた。


 首筋から頭にかけて


 「ゾクッ…」


 これが本当の鳥肌が立つという意味だろうと思った。


 私は睡眠用BGMを流していたが、そんなのは耳鳴りで聞こえず。


 おそらく扇風機が止まっていたので、2時間は立っていたのだろう。ふと気が付くと、押さえつける何者かはいなくなっていた。体の動きが自由になると同時に私は、あまりの暑さに扇風機をかけて改めてベッドに横になった。


 押さえつけていた者は一体誰だったのだろう。しかし、明らかにこの世のものではないことは分かった。


 だって…家族全員が私を押さえつけたとしても私の体を埋め尽くすように押さえつけることはできないでしょ?


 あの時押さえつけていた手はとても大きな者だったから。

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