第40話 ミッドウェー作戦とAL作戦:実行編後編
第一航空艦隊(南雲部隊)は6機の直掩機をつけ、主力部隊に
先駆け、アメリカ艦隊(第16,17任務部隊)へ向かう。
現地日時4日14時頃、完全に補給を終えた第一、二航空戦隊の
うち零戦12機 艦爆72機 艦攻77機、合計161機を
アメリカ艦隊(第16,17任務部隊)に発進させる。
ミッドウェー基地と同時攻撃しなかったのは、ミッドウェー
基地の残存戦闘機の数と、アメリカ艦隊(第16,17任務部隊)
の現状の戦力数が正確にわからず、零戦の消耗が激しく
その数があまりにすくなかったことと、兵力分散の愚を
避ける意図があった。
現地時間15時半頃、日本軍第一、二航空戦隊と入れ違いに、
ヨークタウンの艦爆機28機、雷撃機(艦攻)2機が南雲艦隊に
攻撃してきた。
戦闘機の護衛なしでの攻撃であったが、第一航空艦隊(南雲部隊)
はすぐさま直掩機12機をあてる。
ヨークタウンの艦爆隊は全機一斉に蒼龍を急降下爆撃してくる。
艦爆隊は零戦により次々に撃墜されていったが、爆弾一発が
蒼龍前部エレベーター前に命中し爆発をおこす。
その後数を減らした艦爆隊であったが急降下爆撃は続き合計
2発の爆弾が命中する。
蒼龍の被害は大きなものであった。
最後の被弾から数十分後、総員退去の命令が下される。
夕方以降には火災の勢いが衰え、楠本幾登飛行長は防火隊を編成
して再度乗艦を始める。
以降爆発はなく補給等の能力は落ちたものの空母としての機能は
なんとか果たせた。
ヨークタウン艦爆隊の後続のうち6機が目標を変更し、
そばにいた艦艇を狙う。
命中弾はなかったが、駆逐艦磯風(いそかぜ)の後部に
至近弾となる。
ヨークタウン艦爆隊はこれ以上の損害を与えることはかなわず
結局28機全機そして雷撃隊(艦攻)2機全機が零戦のために
撃墜される。
現地時間16時半頃、日本軍第一、二航空戦隊はアメリカ軍第
16,17任務部隊の上空に到達する。
アメリカ軍にも攻撃隊がいることはわかっていたがその中には
戦闘機もいるかもしれず、日本軍第一、二航空戦隊は艦爆、
艦攻が零戦に随行(ずいこう)する形で進行していた。
日本軍第一、二航空戦隊はアメリカ軍第16,17任務部隊のうち
隼鷹の零戦隊の情報情をもとに考慮するとどうやら
空母ヨークタウンは沈没したようであり、空母ホーネットが大破、
空母で健在なのはエンタープライズが無傷で残っているだけと
判明する。
また残りの艦船は無傷のようであった。
エンタープライズから3機の戦闘機が出撃してきて日本軍攻撃隊の
艦爆隊、雷撃隊(艦攻)を襲ってくる。
、
零戦12機がエンタープライズ戦闘機3機の攻撃にあたり3機全てを
撃墜したがそのとき日本側も艦爆3機、雷撃機2機が撃墜されて
いた。
零戦の損害はなく、そのうち半数の6機がその後すぐさま
第一航空艦隊(南雲部隊)に向かう。
日本軍艦爆隊、雷撃隊(艦攻)はエンタープライズを集中攻撃
する。
雷撃機(艦攻)はエンタープライズの右側面を集中攻撃する。
エンタープライズはなすすべなく雷撃を浴び右側面に大きな穴が
多数空き戦隊が右に傾く。
艦爆隊も無理に急降下せず高度をあまりさげず、
エンタープライズ艦橋をめがけ爆撃する。
爆弾が甲板に1発命中して被害はでたが炎上はしなかった。
その後艦橋付近に2発爆弾が命中し艦橋のある程度が破壊される。
フレッチャー少将は重巡洋艦アストリアに移乗して旗艦にした。
スプールアンス少将は鎮火にあたったがあとのことはマレー大佐
にまかせて重巡洋艦ミネアポリスに移乗した。
エンタープライズの司令官マレー大佐は総員退避を命じ
エンタープライズを放棄し自らは報告もかねて
スプールアンス少将のいるミネアポリスに移乗した。
日本軍雷撃隊(艦攻)はその後もエンタープライズの側面を
雷撃し更に大きく右へ傾いたエンタープライズは浸水が
おびただしく対処にあたる者はおらず、沈没は時間の問題と
なる。
これを確認した日本軍雷撃隊はホーネットの撃沈をはかり大きく
右へ傾いたその右側面を一斉に雷撃する。
更に大きく右側面に穴が空いたホーネットは浸水がおびただしく、
総員は退避していたため対処にあたる者はおらずさらに大きく
右へ傾き沈没は時間の問題となる。
この戦闘においても爆弾、魚雷の無くなった艦爆機、雷撃機
(艦攻)は順次次々と第一航空艦隊(南雲部隊)へ帰投して
いった。
次に日本軍第一、二航空戦隊が目標としたのが重巡洋艦で
ある。
加賀の艦爆隊を編入した赤城の艦爆隊はポーランドを、
蒼龍、飛龍の艦爆隊はノーザンプトンを爆撃する。
更に加賀の雷撃隊(艦攻)を編入した赤城の雷撃隊(艦攻)
はペンサコーラ、蒼龍、飛龍の雷撃隊(艦攻)は
ヴィンセンスを雷撃する。
赤城の艦爆隊はある程度降下してポーランドの艦橋を狙い
爆撃した1発が艦橋付近に命中する。
更にもう一発が艦橋に直撃弾をあて艦橋は壊滅して制御不能と
なりポーランドは大破した。
蒼龍、飛龍の艦爆隊もある程度の降下を行い二発が
ノーザプトンの艦橋付近に命中、艦橋のある程度を
破壊した。
その後も爆撃は行ったが一発も当たらず回避されて結局
ノーザプトンは中破した。
赤城の雷撃隊(艦攻)ペンサコーラの右側面後ろを
集中攻撃する。
右側面に大きな穴が多数空き浸水が始まりペンサコーラは
右に傾く。
更に雷撃を続け船体は大きく右へ傾き浸水もひどく止められ
なくなりしばらく後、ペンサコーラは沈没した。
蒼龍、飛龍の雷撃隊(艦攻)はヴィンセンスの左側面中央を
一点集中攻撃する。
ぽっかり大きく空いた穴は大量の海水の浸水をまねき船体は
かなり大きく左へ傾き沈没は時間の問題となる。
赤城の艦爆隊は残り少なくなった機体でアストリアを爆撃する。
アストリアの必死の回避運動で降下爆撃はことごとくかわされた
が、前門砲塔付近へ一発命中する。
砲塔は使用不能となり鎮火作業が行われた中、スミス少将は
これでは退避の必要はないと判断しフレッチャー少将に
報告した。
この段階で赤城の艦爆隊は全機爆弾が無くなり全ての機体が
赤城に帰投した。
蒼龍、飛龍の艦爆隊も残りの機体が少なくなったが
ニューオーリンズを爆撃する。
必死の回避運動になかなか爆撃が命中しなかったが一発の
爆弾が艦橋すぐ近くに命中し、艦橋のある程度を破壊した。
艦橋の鎮火作業にあたりながら以降必死の回避運動で一発も
爆弾は命中しない。
ニューオーリンズは中破したが、その段階で蒼龍、飛龍の
艦爆隊は全機爆弾が無くなり全機がそれぞれ蒼龍、飛龍に
帰投する。
赤城の雷撃隊(艦攻)は数を減らしてきており装甲の薄い
駆逐艦を狙う。
狙いはハンマンである。
ハンマンの左側面から雷撃したが小型だけに回避運動に優れ
なかなか命中しなかったが、一発が左側面に命中し装甲が
薄い分大きな穴が空き、に一挙に浸水が始まり大きく
左に船体が傾き舵がとれなくなる。
ほとんど回避が不能となったハンマンの左側面に魚雷が
集中する。
命中段が3発になりハンマンはこれ以上傾く暇もなく
沈没した。
これで赤城の雷撃隊(艦攻)のほぼ全機の魚雷が無くなり、
全機赤城に帰投した。
蒼龍、飛龍の雷撃隊も同じく数を減らしており駆逐艦を狙う。
ウォーデンがその狙いに定められる。
この艦も回避運動に優れており右側面から狙ったがなかなか
雷撃が命中しなかったのだが、とうとう一発の魚雷が右側面に
命中する。
右側面に大きな穴が空いたがやや上のほうだったためそんなに
浸水せずたいして舵を失わなかった。
どんどん雷撃を回避したがその能力はやや落ちており、
とうとうもう一発の魚雷が命中しさらに大きな穴が空き
船体はいっきに大きく右へ傾き舵を失った。
雷撃隊は残り少なくなった魚雷を放ったがその後一発も
あたらない。
しかし浸水は大きくなり沈没は時間の問題となる。
この段階で蒼龍、飛龍の雷撃隊(艦攻)は全魚雷を打ち尽くし
全機それぞれ蒼龍、飛龍に帰投した。
この艦も沈没したがなにより大きいのが先ほど大破した
エンタープライズ、ホーネットが2隻とも沈没したこと
である。
そしてアメリカ航空艦隊(第16、17任務部隊)は全艦を
真珠湾へ向けて寄港させた。
これによりアメリカ航空艦隊(第16、17任務部隊)の
全ての航空母艦は沈没しこの艦隊同士の戦闘は
日本側:空母加賀1隻大破、空母蒼龍1隻中破、
アメリカ側:空母3隻撃沈、重巡洋艦2隻撃沈、
1隻大破、3隻中破、駆逐艦2隻撃沈という、
日本側のほぼ一方的な勝利で終わった。
南雲忠一「完勝だな、岡本大尉。君のおかげだ」
草鹿龍之介「本当だ。これは史実とは違うんだね?」
岡本晃司「はい。もう勝敗の帰趨(きすう)からなにから史実を変えて
しまいました。
今後日本や世界はどうなるか、私たちにももうわかりません」
南雲「しかし君のことだ、今後もやってくれると信じてるがな」
晃司「恐れ入ります、南雲長官、草鹿参謀長。ただまだ最終段階が
残っています。
油断せずに行きましょう」
南雲「そうだな」
草鹿「そうだったね」
3人はまだ戦いは終わっていいないと再確認するのであった。
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