仕事辞めたい
みお
第1話
あー、目覚ましが鳴っている。うるさい。
眠たい瞼を一生懸命開けながら、携帯を手探りで探す。
携帯のアラームに目を移す。あー、起きなきゃ。
仕事行きたくねぇ。だから、起きたくねぇ。
でも、仕事を休む理由考えるのも面倒くさいから嫌々起きる。
上司が言っていた。
「三年は、仕事続けないと本当に自分に合っているかなんて分からんよ。
あなたなんて、まだ仕事始めて3ヶ月じゃない。
3ヶ月で仕事辞めたいとか言わないの。
三年経って、辞めたいと思ったら辞めればいいさ。」
でも、わたしは、もう限界だった。
新人が誰よりも動かなくてはいけない職場。
新人に嫌味を言う同僚。
仕事初めてなんだから、何も分からないのに何も教えてくれず、しまいには、悪口を言われる始末。
「なんで、こんなこともできないの?」
と何度言われたことか。
「いや、ちなみに貴方はいつからできるようになったんですか? 最初からなんですか?」
と言いたいが、臆病なので、できない。
「佐々木さんね、まだこの仕事終わってないのよねぇ。遅すぎるわ」
って、私に聞こえるように大きな声で言ってくる女がいる。
通称、悪口製造マシーン。
私が心の中で呼んでいる名前。
わざわざ、みんなに聞こえるように言わなくてもいいじゃん。
「分からないことあったら、何でも聞いてね」
と言われたが、聞けない雰囲気。
残業なんて、日常。毎日ある。
しかも、残業代は0。
辛すぎる。
せめて、今の給料の二倍もらえればもう少し頑張れるんだけどな。
朝は、出勤の30分前には、ほとんどのみんなが来てる感じ。
しかも、その時間給もない。
みんな来てるから私も行かなきゃってなるんだよな。
日本人らしい思い込みだよね、
でも、行かないと変な目で見られる。
悪口製造マシーンが出勤時間10分前に来た人のことを
「ありえない」
と罵っていた。
早くこんな広告会社辞めてぇ。
でもね、臆病だから、未だに退職届を出せていない。
この仕事辞めても行くあてが無いっていうのもある。
私、やりたいことなんてないし、仕事に生かせるほど得意なことも無い。
だから、今日も仕事に行く。
仕事辞めたい みお @mioyukawada
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