おうち時間

影神

おしごと



皆さんはどう過ごされるだろうか。






掃除したり、ゲームしたり、




喧嘩したり、愛し合ったり、、




テレビ見たり、ご飯食べたり、






おうちでは沢山のやることがいっぱいある。






『おうち』






とは、休む場所でもあり、




又、社会の中の小さな社会でもある。






そう、、、私は、、紛れもない、




おうちで働く者。






主夫だった。






私は体を壊してから、主夫になった。




社会的に、人間として、私は追放された。






別にこれっぽっちも、




悪い事をした訳ではない。






使い物にならなくなり、




めんどくさいから放り出された。






きちんと行政に対応を求めたが、




そうなってしまった。




現実、お涙無しでは語れない人生だ、、






と、まぁ、私の身の上話はさておき、




家族の事を話そう。






私の奥さんこと、茜はバリバリの営業マンだ。




彼女の存在無くして、


会社は回らないとでも言う程の実力である。






だが、彼女は帰ってくるとオーバーヒートし、




毎度玄関で倒れるのであった。






よく玄関まで持ったと言いたい。






今日も彼女は帰ってくる。




18時半に、、






さあ、、




私のしごとが始まる。






茜「た、ただいまぁ、、」




私「お、おかえり、、」




ゼリー状の様に溶けている。




今日も疲れているようだ。






靴を脱がし、鞄をかける。




私「ご飯?、お風呂?」




茜「ご飯、、






あっ、やっぱりお風呂、」






私「はいよっ、」




茜を担ぐとお風呂場まで運ぶ。






スーツはハンガーにかけ、




洗濯機で花粉症を落とす。




勿論昼間のうちに洗濯機はカラにしといた。






(ザバー)




体を洗い流し、




茜を浴槽に入れると、料理を温める。






ご飯を盛り付けていると、




お風呂場から私を呼ぶ声が。






茜「出る~」




私「はいよ、」






ここまで見て分かるだろうが、




完全に介護だ。






だが、悪くない。






ドライヤーで頭を乾かすと、




そのままテーブルまで運ぶ。






冷えたグラスにビールを注ぐと、




彼女は自動で行動する。






その間に、昼のお弁当箱を片付け、




水筒を洗い、洗濯機からスーツを出す。




今日も完食だ。






脱ぎっぱなしの衣類を洗濯機に入れ、




洗濯機を回す。






この間に、茜は食事を済ませ、仮眠へと入る。






その隙に、食事を下げ、お弁当のおかずを作る。






私「よしっ、」






全てが終わると21時頃。






平日はこんなもんだ。




彼女を起こし、歯磨きをする。






トイレへと連れて行くと、




寝室に横にする。






茜「いつも、家のこといろいろありがとう。」




私「いえいえ、こちらこそ外で働いてくれてありがとう、」




茜「おやすみ」




私「おやすみ。」






正直、いろいろあった時は、死んでやろうと思った。






何もかもが、嫌になった。






自分なりに一生懸命頑張った。






でもそうなった。






あの時、茜が居なければ、




私はこの世には居なかったかも知れない。






私はベランダに出て一服をする。






まだ、春とは言えないぐらい、




夜の風は冷たく感じる。






だが、私のおうち時間はとても暖かい。






一度、落ちる所まで落ちたからだろうか、、






まあ、過ぎてしまえば、いい勉強なのか、とも、




思えるように気持ちを持って行けるようにまでなった。






私「幸せだな」






私も食事を済ませ、




浴槽に入り、




歯磨きをして、






彼女の隣で眠る。






今日も幸せでした。






『おやすみなさい』






















おうち時間。
















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おうち時間 影神 @kagegami

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