4月1日:『境界』~君は見む 夜の雪柳麗しき腕のべつつ居待ちいざなふ~

き:君は見むみん

よ:の雪柳

う:麗しき

か:かいなのべつつ

い:居待ちいざなふのう



【雑記】

 10日近く前ですが、楠瀬スミレ様の『あいうえお短歌』で詠まれていたお題『境界』に合わせて、遅ればせながら。https://kakuyomu.jp/works/1177354054895127227/episodes/16816452219279742828

 雨や雪がそこで途絶えているのを目の当たりにした時の不思議を、楽しく詠まれています。私は年度が改まる日として今日に使わせて頂きました。


 私は春の白花が好きです。黄みと青みの仄かにさす雪柳、若干の赤みと黄み交じる小手鞠、黄の立つ卯の花。少しずつ暖かみも違う白を生み出します。

 子供の頃は三月や四月に一度は雪が降る傾向が地元にはありました。春の雪はあっという間に土に塗れます。それが去り難そうにしている雪と、そこに生まれている暖かみある白の、迎え入れと送り出しの交換の様にも私には感じられました。スノードロップの伝説に似た感覚です。


 雪柳は枝が旺盛に伸びると、人の手では造形できない野性味の美しさが出て、それが本当に好き。

 夜一人で大きな雪柳と向き合うと、一枝一枝が別個の生き物の様にも見えます。そんな時に生暖かくなった風がそよぎ、何処か畏れも感じることがありました。命の化生けしょうな面を垣間見るようです。


 今日は恐らく十八夜、居待ちの月。

 人のいない公園の雪柳でお花見しながら月を待つのも、ありかもしれませんね。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る