化け猫の声を聞いたことはあるか
フレイムハート
空想の部屋
ザーーーーーーーーーー
うるさいノイズ音で目が覚めた、音の出ところはテーブルの上にポツンと置いた受信機だ。どうやら弄っている間に寝てしまっていたようだな。
この受信機は俺の趣味というか、日課というか…。誰かの電波を受信できないか色々弄ってみている。使い方もよく知らんがダイヤルを回すとノイズが大きくなったり小さくなったり。もしかすると俺と同じような物好きと繋がれるかもしれないと暇つぶしに触っているというわけだ。
ああ、君らには自己紹介をしないとな。俺はこの部屋の住人。無職、童貞、年齢イコール彼女いない歴。趣味は目の前の機械で雑音を聞くことと、空想することだ。君達はニートという言葉を知っているかな?働かず、飯を食っちゃ寝する穀潰しのことだそうだ。自分で言いたかないが、俺はそのニートってやつってことになる。
俺は部屋から出ない、暇を潰すとなると必然的に部屋の中になるわけだな。それで件の趣味二つに行き着いたんだ。さて、自己紹介も終えた。今日も空想に浸るとしようか。
誰しも好物というものが一つはあるじゃないか?俺には沢山ある。果物が好きだ、バナナとりんごは特に大好物。いつかこの部屋を出ることがあれば栽培しても良い。バナナはただ食べるだけでも十分に美味いがすり潰し水と混ぜ飲み物にするとすっきりとした飲み口で素晴らしいんだ、それを飲みつつ食すりんごなんてのはきっと格別だと思う。もう何年も口にしてないせいか、だんだん味を思い描けなくなってきてはいるが好きなことだけは強く印象に残っている。
食事というのは食する環境も大切だな。バナナジュースとりんごを同じくこよなく愛する人と共に食べる時間というのもまた格別であろう。
「ねぇ、このりんごはどこでとれた物なのかしら?随分と甘いわ、それに新鮮ね」
「僕が栽培したのさ、すごいだろう?」
なんて言葉にしながらね。
「ああ、君に食べてもらいたくて僕はりんごを「ザーーーーーーーーz_______」
俺は空想に浸るあまり受信機のノイズが消えていたことに気がつかなかった。誰かの送信を受け取っていたか…?或いは深く潜りすぎて聞こえていなかっただけか…。
気になる。気になるがキリもいい、今日はここまでにし眠るとしよう。
最近なんだかすぐに眠くなるんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます