プレシャスフレンズ

水木 司

第1話

プロローグ

ここはとある星

人は皆背中に立派な羽根があり凛々しくもさえ感じる。

何故ならこの星は有羽族(ゆうばぞく)と呼ばれる宇宙でも珍しい人類が住んでいる星。

もし存在が見つかったりしたらたちまち売買で狙われてしまう。

しかし・・・・


1人の少年が大人達にいじめられていた。


「アデル!まだここにいたのか!

お前はここの種族じゃないんだ!

早く出てけ!」

「片羽のお前なんか有羽族じゃないんだ!」


アデルと呼ばれた少年は右側にしか羽根がなかった。

何故ならアデルは偶然この星に流れ着いた人間と有羽族との間に産まれたために羽根が片方しかないのだ。父親である人間もアデルが産まれてすぐに追い出されてしまった。母親も罰を受け行方がわからない。


「俺にも有羽族の血が流れているのに。

ここにいてはいけないのか?」

「有羽族の血が流れている? はっ!笑わせるな! 人間の血が流れているじゃないか!」

「・・・・」


アデルは返す言葉もなかった。

(何故?何故なんだ! 同じじゃないのか?)


大人達は黙っているアデルを見て大笑いした。

「人間て認めてるぜ!人間なんか追い出してやろう!」

「やっ・・嫌だ!」


アデルは大人達の強い力に負け気を失ってしまった。

アデルは大人達によって小さな宇宙船に乗せられとうとう生まれ故郷を追い出されてしまった。



マゼラン星雲の中にあるバテュータス星。

近代国家の大きな都市の外れにバテュータスを守る総司令部がある。

割と大きな塔の様な建物だがバテュータスを守る人達が沢山いる。

その総司令部塔の中にある休憩室。

1人何か考え事してる感じで窓の外を見つめながら座っている男がいた。

名前はマックス・ハミルタ。総司令部の戦士の1人である。


テーブルにあるコーヒーも少し冷めてきていた。

(何かある・・・)


「よぅどうした。マックス」

マックスを呼びながら向かいに座ったのはトニー・マイケル。

マックスと同じ戦士で戦士隊長を務めている。

「トニー・・」

と言いかけた時マックスは何かを感じ空を見て何も言わずにスッと姿を消してしまった!


「マックス!?」

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