あの頃の自分に思いを馳せて。

自責、受験、大人への反抗、猫かぶり、大人のようで大人でない年頃の葛藤。
自分の学生時代を思い出して『なぜあの頃の自分はこうも多くの悩みを抱えていたのだろうか』と月菜に共感できた。
自分も高校生のときに祖父を亡くしたが、身近な人が死ぬということに当時の自分も実体のない深い虚無感を覚えて、祖父にもっと優しくしておくべきだったと後悔したのを覚えている。
『言葉』は発した本人の意図と関係なく受け取り方でその意味が変わってしまうことに、その不便さと他人と付き合っていくことの難しさが作中を通して汲み取れた。
善が発した『言葉』は偽善にもなり得るが、本当の善とは『言葉』を伴わなくても成立することに人の思考の奥深さを感じる。
後、青い味わいの締めくくりにも目頭が熱くなった。