音に溺れる

 ヘッドフォンから流れる歌声があまりにも心地よくて…

 いつもよりもボリュームを上げてみた。

 すると、いつもより低音の振動が伝わってきて…

 瞼を閉じると音の世界に溺れそうになる。

 息継ぎをしようと口を開くと自然と声が溢れてくる

 まるで呼吸をするみたいに…

 自分の声なのか彼女の声なのかわからなくなるくらい

 瞼を開けると傍観者に囲まれていた。

 まるで、『陸に上がった魚の様だ』と、

 その時私は思いました。

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