文明論で分かる現代政策

平 一

1 〝文明の星〟理論とは?

人類は文明すなわち、高度な技術を持った生活様式により、

現在の繁栄を得ました。

〝文明の星〟理論は、星形に並べた6要素から文明を理解し、

その発展に役立てようとする理論(仮説)です。


個人や組織の活動を、どうなっているか知る(認識)、

どうするか決める(決定)、実際に行う(行動)といった

段階に分けて説明し、改善する手法(PDCAサイクルなど)を、

社会全体の文明活動にあてはめたものです。


図:https://19084.mitemin.net/i360522/ 


この理論によれば、文明活動は、

科学・技術、制度・政策、経済・社会活動の3つに分かれます。

また、それらに影響する内外の環境条件は、

物的資源、人的資源、自然・社会環境の3つがげられます。


生きるということは、生存に必要なもの、

すなわち富を作って分けることで営まれます。

高度な知性による文明活動もまた、

その例外ではありません。


そしてまず第一に、文明活動の本体は、

全ての人々が営む〝経済・社会活動〟です。


第二に〝ああすればああなる〟といった法則に従う自然から富を得て、

経済・社会活動を豊かにするのが〝科学・技術〟です。


第三に〝どうすべきか〟を一緒に決める人々の間で富を分け、

経済・社会活動を健全に保つのが〝制度・政策〟です。


ただし、科学・技術と制度・政策も、

広い意味では経済・社会活動に含まれます。

特に新技術の開発は、利益も大きいが費用もかかるので、

科学・技術の発展には制度・政策による支援が不可欠です。


第四に、科学・技術は農地や機械のような、

〝物的資源〟に具現化されないと社会を豊かにできません。


第五に、制度・政策は健康や教育を得た人々という、

〝人的資源〟により実現されないと社会を健全に保てません。


第六に、制度・政策により科学・技術を支援する際には、

天然資源や外交関係のような〝自然・社会環境〟が影響します。


以上のような文明の六要素すなわち、

三つの文明活動要因と、三つの内外環境要因を、

〝ダビデの星〟や〝籠目紋かごめもん〟ともいわれる、

六芒星ろくぼうせい(ヘキサグラム)の形に並べると、

文明の仕組みや働きを上手く理解できます。

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