第4話
「んんっ……んっ……ちゅ……」
「はむっ……んっ……」
咄嗟に離れようとしたルーナの体を、空いている手で腰の方まで回して逃がさないようにするアテナ様。
………え、なにこれ。
「……これ、何見せられてるんですかね」
「わからん」
アリスがボソッと言った言葉に対してそう返す。いやだって……いきなりキスするとは思わんでしょこれ。
しかもかなーりぶっちゅーといったな。
「ん……んんっ!?」
あ、舌入った。
「ま、ひとまずこんなもんかな」
「…………」
たっぷりと五分ほど。アテナ様はルーナとのキスを終える。開放された瞬間、真っ赤になったルーナが地面に倒れ落ちる前に支えて状態を見る。
嫁さんがキスをされてまぁ思うところはあったが、アテナ様だから仕方ないと思えるのが不思議だ。ちなみに、他の男がしてたら塵すら残さずに消してた。
プッシュ〜と羞恥からやられて顔から湯気を出しているルーナの状態を見る。終わったということなら、きっと彼女は神童になっているはず――――!!
「これは……っ」
「まさか、本当に成功するなんて………」
神童である俺とメルジーナ様だからこそ気づく。
力は一時的なもののため、俺やメルジーナ様よりは小さいが、しっかりと『神童』と呼べるくらいの領域には踏み込んでいる。
「……恐ろしいわね。これが太古の時代を勝ち取った神の力……」
「ちなみに、今回は神童にするだけだったからこれくらいだけど、神器も含めるともっとかかるよ」
「し、しばらくは勘弁してください……」
赤くなった顔で、ルーナが弱々しく言った。
とりあえず、あの場は一旦解散となった。次に俺が呼ばれるのはアレシオンに何か動きがあった時か、アテナ様が邪神を完璧に討つ準備を終えた時だろう。
そして、アテナ様はメルジーナ様の家――――ではなく、何故か俺の家に来たがったので、特に拒否もせずに招待することにした。
拒否するとか恐れ多いし……。
「随分と強い神性を感じてみれば……今度は神をも手篭めにしたのか?ご主人様」
「お前言い方」
家をアテナ様に案内していたところ、バッタリと廊下で鉢合わせしたのはティルである。というか、やっぱり俺って勘違いされるのか……。
「へぇ、その体……随分と懐かしい子を模したんだね、ビンスフェルト」
「私はビンスフェルトではない。ご主人様専属メイド、大罪武器統合意識体ティルだ」
「長いわ。もうちょっと短く」
「む、ならタダのティルだ。ビンスフェルトではない」
「二人とも知り合いだったのか?」
言ってから気づいたが、そういえば俺とティルが初めてあった時も、そういう匂わせ的な発言をしていたような気がする。奴の子は優秀だーって。
「んー……直接あったことは無いけど、愛し子を通して間接的には知ってるよ」
「かつての主、ビンスフェルトが封印される前に、アテナの愛し子と一騎打ちをしてな。決着が着く前に、ビンスフェルトは封印され、私も眠りについたが」
「へぇ……喧嘩とかしないよな」
「「まさか」」
それなら良かった。過去の因縁からいきなり激突とかあるかもとちょっと思ってしまったから。
「私としては、どうして今まで姿を表さなかった神が、急に現れた方が気になる」
「あぁ、そういえばお前にはまだ説明してなかったな」
と、言うことなのでメルジーナ様達にした説明をもう一度ティルにすることに。それを聞いたティルは、顎に手を当てて何かを考え始めると、アテナ様を見た。
「おい、私も神童化は可能か?」
その言葉に俺は目を見開かせる。まさかティルからそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
「うーん……無理じゃないかな。そもそも君人じゃないし」
残念ながら、神童は人じゃないと無理。というアテナ様の言葉に、少しショボーンとしたティル。
「そうか……私も、ご主人様の力になりたかったのだが……」
「いやいや、ティルは大罪武器あるだろ」
「実を言うと、それで充分だと私は思う」
お前これ以上強くなってどうすんの?
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どうやら皆さん無事にタマ○クロスを当てているようですね。作者も当たりました。無料分で。
ぶっちゃけ、タマモよりもカフェが欲しいです。俺の愛馬がー!!
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