第3話

 フォレストキシニョフ現国王の、エイデリアン・レッドモンドは、長命種であるエルフの王にして1000年以上国王として君臨している。


 エルフというのは、姿、形は人と似ているのだが、耳だけが尖ったように長く、また男女ともに美形である。というのが一般常識だろうか。


 俺も詳しいことは分からないが、エイデリアン様はエルフの中でも珍しく社交的な王だと聞いた事がある。なんでも、たまにふらーっと国を抜け出しているのだとか何だとか。


「昨日、エイデリアンが私のところに来たんだけど」


「え?」


 あの話はマジだったのか?というか、メルジーナ様とエイデリアン様知り合い?マジでどうなってんだこの人の人脈………。


「エイデリアンの孫娘さん………メリウスと言うんだけどね、その子が魔法学園に通わせてて、たまに様子を見に来るのよ」


「様子」


 それが、何か依頼に関係するものなのだろうか。


「エルフは種族的に見ても、亜人の中では魔法との適性は最高値。なのに、メリウスは『神童』なのに、魔法が制御できていない」


 神童。その言葉に眉が少しピクリと反応する。


 ここらでもう一回説明するが、神童とは文字通りに『神に愛された童』であり、魔法に対してならほとんど無敵である。


 神と邪神の全面戦争中に、魔法を人類に教えてくれて女神『セフィメト』の加護が体中に流れており、魔法の完全無効化と吸収、ほぼ切れることのない魔力などなど、実力的に言えば人類の守護者である勇者よりも強い。それは、俺があのクソ勇者で証明したと思うが。


 そして、その神童の中でも特別な神器持ちというのがあって、それが俺やメルジーナ様が持っている『ロンギヌス』の武器である。俺が杖で、メルジーナ様が弓な。


 合計で十三はあるのだが、まだ歴史上では六つしか見つかっていない、謎多き神秘の武器である。


「メリウスは魔法が制御出来ないのに神童。そのせいで、うっかりキシニョフが滅びそうになってしまったから、それをどうにかするためにここに来たのだけれど」


「ちょっと待ってくださいメルジーナ様」


 今この人なんて?うっかりキシニョフが滅びそうになった?


「そんな、前のメルジーナ様じゃないんですから」


 メルジーナ様は一度ブチ切れて、とある国を氷漬けにした経験がある。今はその国はこの世界地図には乗っていないが、神童は魔法を完璧に制御してからその本意が発揮される。


 メルジーナ様並の神童なら、一国滅ぼすくらいちょちょいのちょいだが、そんな何歳かも知らない、しかも制御出来ていない神童の魔法なんてたかが知れて――――


「先程の言葉については今は置いておくけど……二年前のキシニョフ大災害……覚えてる?」


「え?まぁはい、覚えてますけど」


「あれですよね、キシニョフの森の三割が燃えてしまったあの大火事」


「そう、その通りよルーナちゃん」


 キシニョフ大災害。キシニョフの森を襲った巨大な大火事のことである。原因は確か、火を吐く魔物がキシニョフに迷い込んだせいとなってはいたが、キシニョフの木は耐火性に優れており、ちょっとやそっとの火ならばそう簡単に火は燃えうつらない。


「あれって、確か原因は魔物ってことになってましたけど……まさか」


「そう、その想像であってるわよアリスちゃん……。原因はメリウス。あの子なの」


「っ」


 おいおいおい、制御もできていない魔法でキシニョフの気を燃やす……?


 やっぱり、なんかこの依頼嫌な予感がするな!思った通りだったよ!


「勿論、キシニョフとしては国を滅亡においつめたメリウスを攻める声は多かったわ。だから、エイデリアンはメリウスはこの学園へ送り、魔法を制御させるようにしていた」


 まぁそうだろうな。普通ならば即処刑ものだろう。


「そして、彼女が卒業するまでに魔法が制御出来なかったら、彼女はキシニョフを燃やしかけた罪としてその命を断たれる」


「ん!?」


「だから頑張ってねティルファ♡上手く出来たら、おねーさんからちゅうを進呈してあ・げ・る」


 むちゅ、という効果音をわざわざ出して、俺へと投げキッスをするメルジーナ様。ハートの幻影が見えたので、俺はそれを叩き落とした。


 あと、ちゅうは要らないですはい。お隣さんからの圧力が物凄いので。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ウマ娘の話しなかったら露骨にコメントか減る現象に名前をつけよ。


サポートカードが充実していない(キャラガチャ引きまくる作者のせい)から、メンバーがほぼ固定化している。とりあえずスパクリとマヤノトップガンと、ゴールドシチーとスイープトウショウと、フレにキタサン入れとけばうまぴょいできるからいいんだけど。


いつもありがとう、モモさん。完凸キタサンマジで助かってます。

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