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家族とは違う優しさを持つ政宗のことを、小春はずっと慕っていた。”兄の友達”から”好きな人”に変わったと自覚したときから、政宗を見るとドキドキがとまらない。
「あのさ、政宗くん。」
「なに?」
「手術、終わったらさ……また政宗くんに会いたい。」
かなり勇気をふりしぼって言ったのに、政宗はキョトンとした顔をしたあと小春に小指を差し出した。
「終わったらまた会いに来る。そのあとは受験勉強見てあげる。約束しようか。」
小春は自分の小指をそっと出した。政宗はそれを奪うように自分の小指を絡める。
ただ小指を絡めて指切りげんまんをしているだけなのに、小春の胸は張り裂けんばかりにドキドキと音を立てた。政宗に触れている。たったそれだけで顔が赤らんでいくようだ。
気を抜くと今にも“好き”だとこぼれ落ちてしまいそうなくらい、政宗のことが好きでたまらなくなった。
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