第6話
20年振りに連絡をくれた彼には、ずっと気になってた事があったようだ。
20年前の別れ際、「俺の子か?」と聞かれた事を思い出した。私は何も答えなかった。
それが彼の中に残っていたのだろう。
その質問に私は答えなかったのではなく、答えることが出来なかったのだから。
彼の子か主人の子か、本当のところ、わからなかった。
子供も主人も彼も私も全員血液型はA型。血液型からではわからない。
20年振りに始まったLINEのやり取りの中でも「昔、俺の子か?って聞いた事あるよね?」って。
「調べた事はないけど、息子が赤ちゃんの時と同じ顔してた」と返した。
確証がない私は、主人の子とも言えなかった。
「変な事聞いてごめん」と彼からの返事。それ以外は何も聞いてこなかった。
確実にわかってるのは娘は私の子供であるということ。
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