第2話 楓

私の名前は、佐々木 楓(ささき かえで)。

仕事の関係で、引っ越しをしたばかりである。


私の至福の時間は、喫茶店でコーヒーを飲む事と、星空を見上げる事である。


別に星座に詳しいとかでは無い。ただ、星空を眺めていると、吸い込まれそうになって、何とも言えない感覚になる。その感覚が幸せな時間である。


楓「家の1番近い喫茶店は、ここか。」


カランコロン


楓「あのぉー、ここ来るの初めてなんですけど。」


マスターはメニューをわたした。


楓「それじゃあ、トーストと暖かいブラックコーヒーで!」


マスター「はいよ。」


ガシャーン


コップが倒れる音がし、楓はそっちに目を向けた。


男性がコーヒーをこぼし、ズボンが濡れていた!


楓「大丈夫ですか?ハンカチ貸しますんで、拭いてください!」


雅人「あっ、ありがとうございます。」


マスター「お客様、すぐに片付けるから、大丈夫ですよ。」


雅人「あのぉー、あっ、ありがとうございます。本当に。」


楓「大丈夫ですか?火傷したりしてませんか?」


雅人は、勇気を振り絞った!


雅人「本当に大丈夫ですから!ハンカチは洗って返しますので、良かったら、またこの喫茶店で逢いませんか?」


楓「分かりました。それじゃあ朝ごはん食べてきます!」


雅人「はっはい。」


雅人(最高の出会いだーー!!)


雅人は、心の中で、ガッツポーズをした!


マスター「はいよ。新しいコーヒーだよ。」


雅人「え?頼んでませんけど?!」


マスター「彼女のおごりだよ。お礼言っときなよ。」


雅人(なんて、優しい子なんだ!やっぱり俺のドタイプだーー!!)


雅人は、楓の元へと歩みを進めた。


雅人「すみません、本当にありがとうございました!」


楓「大丈夫ですよ。せっかくの朝ごはんなんですから、ゆっくり食べて下さい!」


この瞬間から、俺は恋に落ちた。


落ちまくって、心臓が止まりそうだった!








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