第5話よりによって、阿志渡と同じグループに
俺達のグループは、体育館まわりを担当することになり、菓子パンの袋等がちらほら捨ててあった。
意外にごみが見つかるもんだな。
俺、阿志渡、澄江、鎌瀬が同じグループだ。
もう一人は、
俺は、体育館の正面を見回っていた。
阿志渡が俺の後ろを通りすぎ、ごみ袋にごみを捨てていた。
「阿志渡さん、話がっ」
「っ触らないで。口も聞きたくない」
俺が、彼女の腕に触れた瞬間、勢いよく振り払われ拒絶された。
「聞いてくれるだけでいいからっ。知ってるよ、阿志渡さんが優しい人だって!」
彼女は、立ち止まって振り向き、
「少しだけなら......」
と、低い声で呟く。
「ありがとう。昨日の事で、あれは本当に俺は何もしてないから。阿志渡さんが見た通り、押し倒されてただけだから。阿志渡さんが思ってるようなことは何もしてないから、信じてくれないかな?」
「──なの?」
「えっ、今なんて」
「本当なの、何もしてないって話?」
「してないよ、本当に。信じられないなら──」
「し、信じるよ。ごめんね、平塚......ひどいこと言って。どうしたら許してくれる、平塚?」
「ありがとう、阿志渡さん。友達の誤解を解いてくれるだけで充分だから。それだけでいいから」
彼女は、小さく頷いて戻っていく。
なんとか、彼女の誤解がとけた気がした。
いつもの呼び方に戻り、安堵する。
清掃を終え、集合場所の中庭に急ぐ俺達。
俺達が中庭に着いたときには、二グループが来ておらず、10分後に全員揃い、解散になる。通学鞄をとりに戻るため教室を目指した。
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