大人しくて控えめの彼女なのに全然違った!!

小春かぜね

プロローグ

 この物語はフィクションです。

 設定、登場する人物、団体及び名称は一切関係有りません。 

 

『ちゅん、ちゅん…』


 雀のさえずりが聞こえる。本来なら、何時もの朝と変わらないはずだが……

 通い慣れた通学路。良い天気ではないが、悪い天気でもない。

 代わり映えのしない景色を見ながら学校に向かう。

 後少しで学校の所で、ゆっくり歩いてる、見慣れた女子を見つける。

 俺と同じクラスメイトだ。今までは積極的に声を掛けていたが……

 しかし、声を掛けにくい…。あんな事の後だから余計に掛けにくい。

 だが、思い切って声かける。


「おはよ、日生ひなせひなせちゃん!」


 俺は今日も何時も通り、彼女に声を掛ける。


「…おはよ」


 日生は真顔に近い状態で挨拶を返してくる。

 彼女はチラッとこちらを見て、さっと逃げる様に小走りで行ってしまう……


 ……


 今から2週間前。俺は彼女に告白をした。

 童顔さが残る日生は可愛らしく、学年の男子からも評判が良かったが、大人しくて控え目な性格や子ども見たいな雰囲気も有って、女子達からの受けはあまり良く無くて、どっちかと言うと、クラス内では浮いている感じだった……


 女子達の視線から、男子達も話す切っ掛けを掴み難く、クラス内で浮き気味で有った日生に、俺は積極的に話しかけて親友に成った。

 俺もどちらかと言うと、クラスに馴染めてなかった側だ。そんな日生を俺はほっとけなかった……

 日生は控え目な性格だが真面目で、勉強は得意そうでは無かったが、そんな彼女に俺はドンドン引かれていった……


 そんなある日……


 他のクラスの男子が日生に興味を示しているとの噂を聞いて、焦った俺は、ろくな準備をせずに日生に告白してしまったのだ!?

 直ぐに返事は貰えると思っていたが『考えさせて』と日生に言われて、1週間待った挙げ句の末、見事に振られた!!


 俺は諦めきれずに振られた理由を聞くと『彼氏が居る』と日生は言う……。そんな風には見えなかったのに……

 でも、俺はめげずに『親友関係で居ようね!』と言ったら『うん…』と日生は力弱く頷いてくれた。


(多少ぎこちなくなるのは覚悟していたが、まさか、ここまでとは……)


 これが今の俺の状況で有る。

 本来は男らしく、素直に諦めるのが男だが、それが出来ない……

 日生とは毎晩遅くまで、SNSで語り合ったりしたのに、どうしてだ!


 放課後。学校の中庭で一緒に雑談したり、休日やテスト明けには、カラオケとかのデートに近い行為まで行って来たのに、振られる何て信じられない!!

『絶対、何か裏が有るはずだ!』と考えた俺は、それを探っていこうとした。


 プロローグ おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る