第33話 2005/4
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[最近のアクシデント]
旅行好きの筆者としても....
少々怖くなる、最近のアクシデントであります。
共通して見えるのは、オペレートする人間に
操作実感が無いのだろう、と言う事です。
閉鎖滑走路に航空機を誘導する管制官も、そこに飛行機が居て、
滑走路に人間が居る、と実感できれば起こらない筈で...
文書か何かでしか確認できない状況だから、ミスが起こり得る。
福知山線の事故では、運転士に操作実感が不足していて...
もし彼に「コーナーで車輪がロックしたらどうなる」と言う体験があれば
少なくともコーナーでブレーキは離しただろう、と思います。
クルマやバイクで、コーナーでブレーキロックさせた経験があれば
怖くても、コーナーではアクセルを開く事が安全だと経験則で理解できる筈です。
また、営業サイドや管理サイドも、オーバーランが日常化するような
過密ダイアを引く事が遠因になり、事故が発生すると言う事を
当該列車に乗客として乗れば理解できる筈ですし
少なくともJREがATCやATS-Pを導入している訳ですから
設備投資の必然性を実感できる筈です。
自ら、運転してみれば。
(まあ、完全自動化すれば過密ダイアは引きにくくなる訳ですが。)
コーナーの先がSRCの構造体だった事は不幸中の幸いでした。
もし、これが強度の低いスーパーマーケットのような構造体であったり、
木造の学校や、道路などが並んでいる場所であったなら
今度は鉄道利用者とは無関係の、沿線住民に大きな犠牲が生まれ
鉄道の存在そのものに否定感情が生まれる事は必至、となった筈です。
常磐線の事故では、問題が無かったかのように報道されていますが
実際には、自動車運転手の質が低下している現在に於いて
平面交差で鉄道を交通させる事の怖さ、を物語っています。
もし、これが平ボディのトレーラーでなく、剛体を積載した車両であったら..
または、バスの類であったら...
いずれの例に於いても、一時代前なら有り得ない事故である、と言えます。
見方を変えると、これは「現実感の無い状況で実際にモノを操作する」怖さに
慣れてしまっている危険性に気づいていない人々が起こした事故、と言えます。
オペレーションはヴァーチャルなものですが
実際に物理現象を起こす故、その物理についての
体感が無ければ、その危険性への意識も軽微になる、と思われます。
頭デッカチでない人材が運輸業界には必要なのでしょう。
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