ソウルイータ・・・魂喰って強くなる。英雄の魂はどこ?
カティ
第1話 プロローグ
魔物が跋扈する世界、
人々は剣を取り、生息圏の拡大に努めていた。
神は魔物に抗う人々に祝福を与えた。
ジョブとスキルだ。
この二つの組み合わせで戦えるかどうかが粗方決まってしまう。
ジョブはステータスを決定して、
スキルは出来る事といった具合だ。
例えばジョブが魔法使いでスキルが剣術となるとステータスは魔法使いだが魔法は使えず剣を上手く使えるといった微妙なモノになってしまう。
スキルは修練で覚える事が出来るが、習得はかなり難しく。ほとんどの人は挫折してしまう。
俺はアベル18歳、3年前に田舎の村から出てきた冒険者だ。
俺には仲間がいる。
同じ田舎から出てきた、同じ歳の2人だ。
1人はカイン、俺の親友だ。
彼のジョブは剣士でスキルが剣術Ⅳ、回避Ⅱといったアタッカーとして恵まれた構成だった。
小さな時から仲がよく、村にあまり馴染めなかった俺の面倒をずっと見てくれていた優しい奴だ。
そして、もう1人はマイン、
誰もが振り返るような美人だ。
ジョブは魔法使い、スキルは火魔法Ⅲと風魔Ⅱ法といった。これまた恵まれた構成だった。
現在カインの彼女でもある。
俺達3人でパーティーを組んで3年ついにBランクになった。
同世代だと早いほうで若手の星と周りにもてはやされていた。
だが、最近俺は二つの悩みがある。
1つはジョブの習得が出来ていない事だった。レベルが10まで上がれば自然と覚えるのだが現在27まで上がったがまだジョブが開花していない。
スキルについては修練で身につけた、鑑定Ⅱ探知Ⅱがあるが神の祝福たるスキルは得ていなかった。
そして、もう1つの悩みはカインとマインの関係だ。
付き合い始めた頃はお互い自重もしていたようだが最近は酷いものだ、
街にいると隣の部屋で盛るのはまだいい。
探索中でも盛り始め、周囲の警戒が疎かになっており、夜中の見張りなど頼めるものでもなかった。
そして、たぶんこれが1番の理由だが、俺はマインに恋をしていた。
初恋だったんだろう。2人が付き合い始めたと聞いた時に気が付いた。
だから、俺には邪魔する権利もないのだが、それでも自分の好きだった女が他の男に抱かれる声を聞くのは辛いものがある。
そして、今晩も・・・
この日は森に入って3日になる。
今までは2日で帰るようにしていたがBランクに昇格したことで3日の探索に挑戦をしていた。
俺は反対していたが、カインとマインが主張すれば多数決で決まってしまう。
2人が付き合う事にこんな弊害も生まれだしていた。
探索は順調だった。問題は夜だ。
初日の夜
見張りの順番は俺、マイン、カインの順番だった。
俺が見張りを終え、マインを起こしにテントに向かうと・・・
「マイン、ここがいいのか?」
「そう、そこに早く。」
「ほら、欲しい時はなんて言うんだ?」
「お願い、カイン。私を貫いて。」
「よく言えた、ご褒美だ!」
「あ~これこれが欲しかったの、もっと!」
2人が盛って休んでないのがよくわかった。
俺は黙ってテントから離れる。
翌朝、
「アベル、なんで起こしてくれないんだよ。朝まで寝てしまったじゃないか。」
「起こしたんだけど、起きなかったんだ、仕方ないから朝まで見張ってたよ。」
「す、すまん!昨日は疲れていたのかな?今晩は俺が長めでいいから、お前はユックリ休んでくれ。」
「そうさせてもらうよ。」
2日目の夜、
見張りはマイン、カイン、アベルの順番だった。
「アベル、昨日は済まなかったな、今日は朝まで寝てもいいからな。」
「そんな訳にもいかないだろ?ちゃんと時間に起こしてくれよな。」
俺は疲労もありテントに入る。
程なくして・・・
「アベルは寝たか?」
「昨日は悪いことしたわよね。もう、カインが張り切るから。」
「仕方ないだろ、魅力的なマインが悪いんだ。」
「もう、カインったら。ってダメだよ。見張りをしないと。」
「大丈夫だって、今まで夜に襲われた事なんてないだろ?魔物は火を怖れて近寄らないって聞いたんだ、火さえたやさなかったら問題ないよ。それより俺の剣がこんな調子じゃ戦えないだろ?マインに静めてもらわないとな。」
「ちょ、ちょっと、ここ外だよ!」
「開放的でいいじゃねえか、誰も見ちゃいないよ。」
「待って、マズイよ。」
「そんなこと言って、カラダは準備出来てるじゃないか。やらしいなぁ~」
「そんなことないよ、ねえ、やっぱり外は止めようよ。」
「うーそそるね、嫌がる所に入れるのも、癖になりそう。」
「や、やめてって。アッ、アン!やだ声が響いちゃう。」
「なんだ、凄く感じてるじゃないか、ほらもっと激しくいくぞ。」
「ま、待って、外はダメだよ!ヤッ、アン、アッ、ダメ、いっちゃう♡」
2人が外で始めた声がテントまで届いていた。
「あいつら、勘弁してくれよ・・・」
その声に寝付きづらかったが、昨日徹夜の疲れもあり、意識が無くなっていく。
俺はハッと眼を覚ます!
深く寝すぎた、慌てて見張り交替時間を示す、砂時計を確認するがまだ砂は残っており、安心した。
「危なかった~さて起きるか・・・」
とノンキに構えていたのも束の間、激しい殺気に覚醒する!
その瞬間テントが上部から引き裂かれ、その暴虐な爪により俺の左腕が持っていかれた。
「グッ!」
俺は左腕の痛みに耐えながら外に出る。
其処には裸で交わったまま、熟睡している2人がいた。
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