第316話「肉屋かと思ったら虐殺者?……凄く物騒な奴が来た!」


「まじか!この数秒で……」



「まじでーーー嘘だろ!この短期間で微妙に再生してやがる!!あの兵士が苦戦すると言った訳だ!再生持ちかよ!!」



 鑑定前の簡易ステータスではHPは残が40だった……しかし既に回復し始めてその速度が尋常じゃない!



◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇


・迷宮深化条件 N/N※該当せず


・固有個体発生討伐率 0%


『ブッチャー』ギガント・トロール(戦士)

(通常種・巨人系統・特別大型種)

(別名: 巨大トロルの虐殺者)


『使役可能個体』 第一次系統進化個体 

・ステータスには個体差、系統差あり。


LV.13 HP.49/160 MP.0/0

STR.36 ATK.106 VIT.66 DEF.188

INT.17 REG.20 DEX.22 AGI.22 LUK.19


称号『ブッチャー』


 巨大な肉切り包丁を常に持ち歩く者


特殊な効果:


 片手系武器『威力2倍』『衝撃2倍』


特殊能力


 『憎悪』

  ……全ての敵を憎悪する


 『狂化』

  ……狂化『戦闘が終わるまでSTRがup』


 『再生』


  ……被ダメージは即回復を開始する。


 『弱点火炎』


  ……火炎ダメージ以外はとどめが刺せない。


スキル


『狂化』『剛撃』『ボディープレス』


特殊ステータス


『憎悪』『愚鈍』『ブッチャー』『再生』


『弱点火炎』


    条件により使役可能

 捕縛の魔物罠、使役強制スクロール、

 従魔契約スクロール、使役の絆…etc

 ・必要条未達成により開示不可。


  気本的には巨大な拳や足で攻撃する。

 樹木をそのまま棍棒に使う個体が多い。

  冒険者から奪った鉄器を扱う個体も

 居る。


  系統種では戦士、トロールの呪術師

 やバーサーカー等、武器やステータス

 によって系統が変化する。


  知識レベルは低く最低限だが意思疎

 通は出来る。


  条件により疫病種や属性種、不死属

 性種に変異する事がある。


  進化種には様々有るが一番有名な

 進化先は、ストーントロール、ストー

 ムトロール、など


  稀に進化時にジャイアント、ジン、

 オーガなど全く異なる巨人種や大型

 妖精種に変異する事もある。


  より知識レベルが高い種に命令され

 て共に行動することも多い。


 棍棒、各種鉄器、各種鎧類、木製盾、

 ゴブ茸、各貨幣


 牙、爪、各種装備、小魔石、中魔石、

…etc


  上記部位は武器、防具、etcは素材に

 使用可能。


・各部位食用不可

 頭部…なし

 腹部…なし

 胸部…なし

 腕部…なし

 脚部…なし


 攻撃・防御:


  斬撃、殴打、薙ぎ払い、強打、連打

 蹴り飛ばし、噛み付き、引っ掻き、突進

 ボディープレス、


 系統変化先(進化先)

 ・トロール・シャーマン

 ・ストーン・トロール

 ・プレーグ・トロール

 ・ジャイアント

 ・ジン

 ・オーガ

  ……etc

  LV、経験値不足で鑑定不可。


 稀に宝箱を落とす。(ダンジョン個体のみ)


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 鑑定して僕は本当に良かったと思った……理由は『ブッチャー』『再生』『弱点火炎』の3項目だ。


 これは知らなければ勝てない……撤退以外あり得ない戦闘になる。


 トドメが刺せないのだ。


 更に片手武器の性能向上がヤバイ……トドメに『再生』だ。



「ブウォォォォオォォオ!!」



 『ブッチャー』と称号を持ったギガント・トロールは、大きな叫びを上げて『ボディープレス』を何の前触れも無く突然してくる。




 僕が撃った『ウォーターバレット』に対応して、そのスキルを出したのであればそれが弱点にもなるが……今は先ずこの状況を如何にかせねばならない……



 そう思った矢先、僕は糸に絡め取られて横の壁に飛ばされる。



「入った瞬間の行動は惜しかったと思うぞ?だが油断は禁物じゃ!あの若造の兵士も言っておったであろう?『同じ場所に居るな』………とな?」



「逃げられんのだ……必ずどんな状況でも動ける準備をしている事ができないのであれば、ずっと動いていることじゃ!じゃないと命などすぐに無くなるぞよ?」



「既に今回で何度目の命を捨てたものか……まぁ反省も成功の元じゃからな!せいぜい頑張って倒すが良い……」



 アラーネアは僕とすれ違い様にそう言って『ジョキン』と粘着糸を切ってくれる。



「有難う御座います……ステータス見たらかなり危険な奴だったのでついビックリして動けなくなりました」



 そう言ったあと僕はクロークから『炎の弓(エルフ限定) 』を取り出して充分な距離から速射する。



 身体に『火矢』刺さると火達磨になるギガント・トロール。


 此処で水魔法等絶対にダメなので火矢を追加で撃ち込むと、ギガント・トロールは次第に黒ずみ炭化していく。



 そして完全に燃え尽きるまで、簡易鑑定を使って様子を見る。



 漸くステータスが『死亡』に変わったので、これでやっとこギガント・トロール戦は終わりだ。



「アラーネアさん!さっきは有難う御座いました……今回は本当にびっくりした……再生持ちで称号付きで火炎属性のみで殺せるって……」



「火を持ってないと勝てないじゃ無いですか!」



 僕のセリフのアラーネアは、『生活魔法の火を使えばすぐじゃ無い?』と返してきたが……確かにその事は考えても居なかった……これはジェムズマインの街に戻ったら本格的に勉強せねばだ!


 ゲオルさんにちゃんと、魔法使いのいろはを教えてもらわないとダメだろう!


 そして部屋の中央に念願の『宝箱』が出た。



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宝箱(ランクA+) 『階層ガーディアンの宝箱』


        (罠:なし)


        入手方法

 ・ダンジョンの魔物を倒した場合。

 ・特殊な状況下で魔物を倒した場合。

  その何かで稀に入手。


  箱にはランクがある。

 ランクが上がる程、良品が詰まっている。


 箱には罠がかかっている場合がある。

 ランクが上がると箱内部は複合罠になる。


 解錠方及び罠の解除方は箱ごとに異なる。


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 どうやらこの場所は、この階層のガーディアンの様だ……だからこそ、この部屋をクリアしたら下方階段を使える訳なのだなと思った。


 前に水精霊の洞窟でモンブランに言われたことを思い出した。



 階層主とそれに近い魔物が居ると……そして思い出した瞬間自分がバカだと気がついた……『魔物避けのチャーム』で避ければ雑魚は相手しなくて済んだのだ!


 ひとまずはアラーネアにその宝箱の説明と、この偽部屋とされていた本当の名前を教えてからクロークに宝をしまう。



「そうだったのじゃな……妾も流石に知らなんだ。ガーディアンと言っても妾にはさほど強くも無いのでな!偽階層主と思っておったわ!」



 そのセリフを話していた時に、外から扉を開けて内部を見た兵士の男が駆け寄ってくる。



「まじか……アラーネアってこの部屋の魔物をこんなに早く倒せるのか……よく俺は無事に生きてたもんだ……」



 そのセリフに、アラーネアは



「妾はこの坊やを危険な時に助けただけで、退治したのはこの坊やであるぞ?」



 などと言う物だから、彼は化け物を見る目で今度は僕を見始める。



「さぁ……いよいよ『本番の階層主』との戦いですね……」



 僕がそう言うと、二人は僕を見て『何処に部屋があるのか?』などと言い始める。


 その部屋の在処を知っているアラーネアも同じ反応をしていたのに、僕は普通に対応してしてしまった。



「その壁の向こうですよね?空間感知で『部屋がある』のがわかります……」



 僕がそう言い指をさすと、アラーネアはまたもや不思議そうな顔して、其方に向かい壁を観察して小突く。


 すると今度は壁が歪んで見て始める。



 アラーネアはズレた壁を押し込むと、反対側が手前に開きカラクリ壁面だと僕等も分かった。



「お主は……本当に便利だの?空間感知で分かるのか……妾も学ぶかの。そうすればもしや……妾も探せるかもせんからな!隠し部屋が!」



 そう言って笑って見せた……兵士はビックリした顔でまた僕を見ていた。

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