著作者人格権
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。新人賞の応募要項をよく読んでいると『受賞者は著作者人格権を行使しないものとする』と小さく書いてある場合があります」
「あれってどういう意味なんだ? 著作権とは違うのか?」
「違います。著作者人格権は、以下の4つの権利で構成されています」
①公表権 著作物をいつどのように公表するか決定する権利
②氏名表示権 氏名を表示するか、する場合は本名か筆名かを決定する権利
③同一性保持権 著作物の内容を意に反して改変されない権利
④名誉声望保持権 著作者の名誉を損なう形で著作物を使用されない権利
「ふーん、4つもあるのか」
「ええ、著作者は手厚く守られているのです」
「あれ、でも『行使しない』ってことは、ここに書いてある権利は主張できないってことじゃ……」
「そうなのです。たとえば①だと、受賞作をいつ公表するかは、基本的に出版社が決めるので、作者の希望通りになるとは限りません」
「確かに」
「あとは③ですね。出版社の希望に沿って、作品の内容や題名を変えるというのは、作家をしていれば普通に要請されることです」
「④はどういう権利なんだ?」
「たとえば自分が納品したイラストが、そうとは知らないままアダルト雑誌に載せられたら、作者の名誉が損なわれるでしょう? そういう事態を守る権利です」
「なるほど、色々あるんだな」
「新人賞へ応募するなら、後々のトラブルを避けるためにも、著作者人格権の内容は事前によく知っておきたいものですね。まあ受賞できなかったらまったく関係ない話ですけど」
「寂しいオチはやめてくれ」
「なお、わたくしは著作者人格権を行使しませんので、この講座で話した内容は好きに使ってくださって結構ですよ」
「そう言われても、離婚の話ばっかりだから使えないよな……」
「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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