中高生限定

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。先日ネットサーフィンをしている際、うっかり中高生の恋愛相談サイトに足を踏み入れてしまいました。相談する側も回答する側も中高生限定というサイトです」

「お前には立ち入る資格のない場所だな」

「そう思いましたが、何となく気になって、スレッドを1つ閲覧してみました。相談者は中学生の男子でした」

「内容は?」

「僕には仲のいい女子がいます。付き合ってはいませんが、周囲からはよくそう聞かれます。最近彼女がよそよそしくなり、思い切って理由を聞いたら『目立つから学校では話しかけないで欲しい』と言われました。どうしたらいいでしょうか?」

「なるほど、中学生のリアルな相談だな」

「男子と女子が仲良くしていると、友達に冷やかされてしまうので、彼女はそれがイヤだったのかもしれませんね」

「お前なら、この相談にどう答える?」

「学校で話せないなら、ホテルに連れ込んでご休憩(意味深)したらいいじゃないですか。はい、解決。次の相談へいきましょう」

「まさか、そんな書き込みしてないだろうな!?」

「してませんよ。脳内で思っただけです」

「だよな。回答者も中高生限定だもんな」

「中高年なら、わたくしも該当するのですが」

「その一文字には埋められない溝がある……」

「なお、このスレッドには『それはつらいですね』『直接がダメならLINEで話したらいいと思います』『学校の近くで待ち合わせて一緒に下校したらどうでしょうか』など心温まる回答が寄せられていました」

「優しい世界だな。あと、お前は反省しろ」

「反省だけなら猿でもできる」

「この反抗的な態度」

「まったくです。歳は取りたくないものですね」

「そして無責任な同意」

「ともかく、汚れた心が洗われましたので、今後も物陰からこっそり覗き見したいと思います。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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