テクニック疲れ

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。こういう講座をしている関係上、わたくし恋愛情報のサイトを日々チェックしているのですが、何だかドッと疲れてしまいました」

「急にどうした? 理由は?」

「疲れる原因は2種類あります。その1、筆者の主観でしかない意見をテクニックとして紹介している」

「たとえば?」

「『LINEは返事がもらえるよう質問形式で送ろう!』みたいなやつです」

「まあ、ある意味それもテクニック……なのか?」

「でもそれ、筆者の好みじゃないですか? 質問形式のLINEを重荷に感じる人だっていますよね? たとえばわたくしとか」

「まあ質問の内容や頻度によるから、一概には何とも言えない問題だな」

「その2、恋愛以前の常識をテクニックとして紹介している。『LINEに返事が来なくて不安なの? 相手は忙しいのかもしれないよ! 怒らずにしばらく待とうね!』みたいなやつです」

「そりゃまあ、そうだよな」

「確かに正しい意見ではありますよ。『LINEに返事が来なくて不安なの? 相手はきっと浮気してるんだよ! ガチギレして殴ろうね!』とは言えませんし」

「ジャイアンかな?」

「ジャイアンでもそんな真似しないでしょう。とにかく、そんな感じで、玉石混合の情報に振り回されて疲労がたまっているわけです」

「お疲れさん」

「申し訳ありません。この講座も、恋愛について調べるのも、わたくしが好きでしている行為ですから、本来はここで文句を言うのは間違っているのですが……」

「仕方ないさ。恋愛って正解がないからな。だからこそ、何か言う時は主観になるし、男女問わずみんな必死になるんだよ」

「そうですね。今までわたくしが言ってきたことも、あくまで主観に基づいたアドバイスですが、1つの意見として受け止めていただけると幸いです」

「了解、これからもこの調子で続けような!」

「はい。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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