さしすせそ

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今回のテーマは、モテる女性の『さしすせそ』です。はい、言ってみてください」

「俺は完璧に知ってるぞ。砂糖、塩、酢、醤油(せうゆ)、味噌だろ?」

「それは料理の『さしすせそ』ですね。そうではなく、今回はモテる女性の『さしすせそ』です」

「料理ができればモテるだろ」

「お前は今、全世界の料理ができない女を敵に回した。夜道に注意するんだな」

「なんか……ごめん……。しかし、モテる女性の『さしすせそ』は知らないな」

「それでは一緒に考えてみましょうか。『さ』で始まって、女性に言われると嬉しいセリフは何ですか?」

「『触っていいわよ』」

「不正解です」

「いや、正解だろ!? 言われたら嬉しいんだから!」

「黙れ発情期。正解は『さすがですね~!』でした」

「なるほど」

「ちなみに、残り4つもすべて相手を褒める言葉です。『知らなかった~!』『すご~い!』『センスいい~!』『そうなんですか~!』」

「それ全部、ただの汎用性のある相槌じゃん……。そんなのに乗せられていい気になるとか、手玉に取られているようで悲しくなるな」

「手玉を逆にすると、玉手箱ですよね」

「突然トラウマに触れるのはやめろ」

「とはいえ、普通の恋愛講座に参加すると、こういう内容を真面目に勉強するのですよ。そんなことをするくらいなら、わたくしのブラックユーモアの方が面白くありませんか? 異論は認める」

「ああ、同感だ。そんな心のこもってない相槌よりも、『触っていいわよ』とか『そろそろホテル行こ?』とかの方が嬉しいよな」

「筆者が言われたい『し』は、凡ミスからの『仕置きが必要だな』ですね」

「ド変態だな」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした。それでは、夜道に注意してお帰りください」

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