B型

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今回のテーマは血液型です」

「いいのか? 血液型の話って荒れやすいよな?」

「荒れやすいのは、血液型占いの話でしょう? そうではなくて、今回お伝えするのは亀の血液型についてです」

「亀の血液型」

「結論から申し上げると、すべての亀はB型です。それ以外は存在しません」

「へえ、意外だけど納得できる話だな」

「どう納得できるのです?」

「だってお前、B型そのものじゃん。マイペース、自己中心的、他人に合わせるのが苦手……」

「ひどいわ、血液型ハラスメントよ!」

「そ、そうか、悪かった。こういう発言が荒れる元なんだな。でも俺、正直B型は好きだよ。はっきり自己主張してくれて、付き合いやすい奴が多いからさ」

「ちなみに浦島殿は?」

「O型だけど」

「B型とO型は、互いを束縛しなければ良好な関係が築けるそうです。今後も適度な距離感を保つよう気を付けましょう」

「別に気を付けなくても、互いを束縛する場面なんてないと思うが」

「そうですか? 浦島殿が他の亀に乗ったら、わたくしは嫉妬を抑える自信がありませんけど」

「亀に乗る機会なんて普通はないだろ」

「ところで、最初の話に戻りますが、抗B型の血清は亀の赤血球を元に開発されたという話もありますね」

「そりゃ面白いな。他にもB型オンリーの動物はいるのか?」

「ゴリラは、ほぼB型だと言われております」

「亀とゴリラ……共通点皆無」

「そうでしょうか? ゴリラは見た目は怖いですが、温厚で無駄な争いを好まない、賢くて優しい動物です。そこが亀との共通点かと! ただし、世界一握力が強い動物なので、親しくなっても絶対に握手はしないでください」

「普通はしないと思うぜ」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

「それで結局、恋愛の相性の話はしないのか?」

「荒れるからしません」

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