Re:浦島太郎(5)
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。少し間があきましたが、例のゲームの続きをしませんか?」
「たしか前回は、亀を味方につけたところでセーブしたんだよな」
「はい、好感度が上限に達したので、亀のマル秘プロフィールが解放されました。図鑑をご覧になりますか?」
「いや、続きを始めよう」
「即答」
「竜宮城に辿り着いて、乙姫と再会する場面からスタートするぞ! ほらほら、早く音声認識機能を起動してくれ」
「スイッチ怨。はい、どうぞ~」
「ふはははは、ここで会ったが100年目! 亀が俺に寝返った今、お前に勝ち目はないぞ!」
「(ロード音)~Final Battle Start~」
「よし、いくぜ亀! 俺が攻撃するから、回復よろしく頼む!」
「おとひめのこうげき! つうこんのいちげき! うらしまはぜんめつしてしまった!」
「待て」
「ペナルティでゴールドが半分になりました」
「待て待て待て。亀を味方につけたら、勝ちルートだろ!?」
「いくら亀の回復魔法が強力でも、Lv.1装備なしでラスボスに挑んだら、ワンパンされるに決まっております」
「先に言え」
「表面上は乙姫に従ってご機嫌を取りつつ、裏で雑魚敵のタイやヒラメを倒しまくって、充分にレベルを上げてから挑みませんと」
「それも先に言え」
「ちなみに、途中で乙姫を怒らせる発言をすると、その時点でラスボス戦がスタートしますのでご注意あれ」
「俺イヤだよ、そんなラスボス戦」
「ですが、突然ラスボス戦がスタートするのは、現実世界の夫婦間でもよくあることです」
「ちなみに、乙姫に勝てるくらいレベルを上げるには、どの程度時間が必要なんだ? 1週間くらいか?」
「1年かかりますが、課金アイテムの『伝説の釣り竿』を装備すれば、Lv.1でも勝てます」
「最強装備が釣り竿……だと……?」
「浦島太郎ですからね。それでは、さっそく課金しますか?」
「しません」
「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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