シュークリーム

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。シュークリームを買ってきましたので、お1つどうぞ」

「おっ、サンキュー! どれどれ、あーん」

「ふむ、手づかみですか……端からかぶりついて……口の周囲はクリームだらけ……あっ、今、テーブルにこぼしましたね」

「うわ、いっけね」

「そして、落ちたクリームを手でふき取りました。ありがとうございます。あなたは0点です。今のは食べ方のテストでした」

「テストだって?」

「はい。シュークリームといえば、綺麗に食べるのが難しいスイーツの代表格。デートで失敗して嫌われないよう、今日は食べ方を練習しましょう」

「俺、マナーとか苦手なんだよ……。食ってうまけりゃ、それでいいじゃないか」

「ですが、口の周囲が汚れたり、床にこぼすのは問題でしょう?」

「そういう時はほら、マンガでよく見るアレだ! 彼女に舐め取ってもらうんだ!」

「公共の場で彼女に床を舐めさせるとは、かなりのハードSMですね」

「違うそうじゃない(真顔)」

「お店でシュークリームを食べる場合、普通はフォークがついてきますので、一口サイズに切ってから食べましょう。この時、そのまま切ろうとすると確実につぶれますから、先にクリームをすくって量を減らしてしまうのがオススメです」

「なるほど」

「具が少なければ、上の皮と下の皮がくっつきますので、その状態なら割と簡単に切れますぞ。ハンバーガーでも有効なテクニックなので、是非とも覚えておいてくださいね」

「ハンバーガーじゃないけど、サ〇ウェイの野菜上限は食べるのに苦労するよな」

「シュークリームと違って、フォークもありませんからね。溢れ出る野菜との戦い」

「俺、あれを差し入れで貰ったら、綺麗に食べ切る自信ないなぁ(チラッ)」

「やれやれ、まんじゅう怖い作戦ですか。わかりました、今度買ってきますよ」

「よっしゃ!」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る