Re:浦島太郎(4)

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。浦島、ゲームしようぜ!」

「磯野、野球しようぜ! みたいなノリだな」

「まあ、そう言わず付き合ってくださいな。恋愛能力を高めて乙姫を倒して世界平和を取り戻しましょう?」

「やれやれ、わかったよ」

「今回はセーブポイントから始めますね。竜宮城へ向かっている間、亀にたくさん話しかけて、好感度を高めてください。それでは音声認識機能、スイッチオン!」

「不吉な掛け声だな」

「モタモタしていると好感度が下がりますぞ! 早く亀が喜ぶようなセリフを言うのです!」

「亀が喜ぶセリフ……? す、素敵な甲羅ですね!」

「浦島殿、ナンパのセンス皆無では?」

「否定はしないぜ……」

「仕方ありません。それでは亀の方から話しかけますので、上手くキャッチボールを返してください」

「了解」

「先程は助けてくださってありがとうございました! 浦島さんって、とっても勇敢なんですね!」

「いや、当然の行動をしたまでだよ」

「でも、相手が子供だから助けただけで、怖そうな不良だったら素通りしたんじゃないですか? あなた、いかにも弱そうですもの」

「命の恩人ディスってんじゃねえぞ」

「イラッとしても相手のご機嫌を取るのです! ナンパとはそういうものです!」

「た、確かに俺は不良には勝てないだろうな! でも、その間にお前が逃げてくれたら、俺は負けてボコボコにされたって構わないよ」

「やだ、浦島さん、そんなにわたしのことを……?(トゥンク)」

「へへん、当然だろ?」

「嬉しいです! 将来、浦島さんがピンチになったら、わたしが助けますから安心してくださいね!」

「よし、助太刀フラグ立ったな」

「はい、上手くいったので一旦ここでセーブしますね。この後もっと亀を口説くと、竜宮城へ行かずに駆け落ちするエンドがありますが、チャレンジしてみます?」

「いやそれはいい(即答)」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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