キス
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます」
「ところで、この講座って恋愛講座(※諸説あり)なのに、キスの話題ってまだ出てなかったよな?」
「…………」
「ん、どうした?」
「わたくし、キスは苦手でして……。わたくしというか、正確には筆者ですが」
「そうか? キスマークの話は楽しそうにしてたじゃないか?」
「キスマークは肌につけるもんやけど、キスは唇やろ? 何が楽しいん? ぶっちゃけ汚い思うねんなぁ」
「なぜ急に大阪弁に」
「ですが、わたくしも講師である以上、自分の好き嫌いは抜きにして、皆様に情報を提供するのがお役目です。そんなわけで、キスの種類と上手な仕方について調べてみました」
「よし、今日はその話題だな!」
「すみません、途中で気持ち悪くなってやめました」
「使えない……」
「ですが、そもそもキスに技術とか必要ですか? 気持ちがこもっていればそれで良くないですか? 逆にキスが上手すぎたら遊び人だと思われて評価が下がってしまうのでは?」
「説明できないことを正当化する講師」
「遊び人といえば、ブラジャーのホックが簡単に外せると、良くも悪くも慣れた男だと判定されます」
「突然のアダルトネタ」
「あれは左右にいくら引っ張っても外れませんぞ。そんな時は焦らず騒がず、逆向きに引いてフックを外してください。知らんだろう初心者?」
「だから俺は初心者じゃない! こういう役割を強いられているんだ!」
「そうですね。わたくしは人生に疲れ切った冴えない中年。そしてあなたは悪女に人生を狂わされて破滅した男。モテない者同士、今後も仲良くやりましょう」
「事実だけど悲しくなるな……」
「そんな似た者同士の我々ですが、決定的に違うのは、この先未来があるかどうかです。将来キスに詳しくなったら、逆にわたくしに教えてくださいね。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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