Re:浦島太郎(3)

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。今日も『Re:浦島太郎』で遊びませんか?」

「トラウマゲーの話はやめろ」

「仕方ありませんねぇ。このままクソゲー認定されるのも悲しいので、特別に攻略のコツを教えて差し上げますぞ」

「いいのか?」

「ええ。そもそも最近のゲームは、ネットで攻略方法を見ながらプレイするのが基本ですからね。ずばり、前回の浦島殿の敗因は、序盤で亀との交流をスキップしたことです」

「だって、亀と交流するゲームじゃないだろ?」

「確かにそうですが、親密になった状態でラスボス戦を迎えると、亀が飛び入り参加して強力な回復魔法を使ってくれるのです!」

「そんな隠し要素があったのか……!」

「はい。このフラグを立てておかないと、回復手段がありませんので、乙姫を倒すのはまず不可能かと」

「ちなみに、回復魔法って具体的にはどんな?」

「浦島殿の口にスッポンエキス1リットルを注ぎ込んで体力を強制回復します」

「それはむしろ攻撃魔法では」

「というか魔法じゃない気が」

「自分で言ってどうする」

「しゅ、手段はどうあれ、回復すればいいのです! なお追加ディスクをインストールすると、2周目以降、乙姫と夜のラスボス戦を体験できますぞ。スッポンエキスはその際にも重宝しますので、どのルートを狙うにせよ、亀の親密度は最優先で上げておいてください」

「夜のラスボス戦……だと……?」

「遊びたくなりましたか?」

「だ、騙されないぞ! そんな思わせ振りな言い方してるけど、どうせバトル背景が夜になるだけだろ!?」

「詳細は実際にプレイしてご確認をば。ただし、乙姫はそう簡単には攻略できませんので、まずはこの講座を真面目に受講して恋愛上級者になってくだされ?」

「けどこの講座、恋愛が上達する要素どこにもないよな」

「以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

「否定しろよ」

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