2次元と3次元

「どうも、浦島太郎です」

「わたくしは講師の亀でございます。筆者は以前、恋人の部屋で、美少女フィギュアを発見したことがありましてな。クローゼットの中にこっそりと隠し持っていたのですよ」

「それで、どうしたんだ?」

「怒りました」

「どう怒ったんだ?」

「『せっかくお迎えしたのにクローゼットに入れるなんてひどい! 早く箱から出して、ミクたんを机に飾ってあげて!』」

「え、そっち……?」

「そっち以外にどっちがあるのです?」

「いやほら、『私というものがありながら美少女フィギュアに浮気するなんて!』みたいな」

「筆者ごときが、ミクたんの可愛さに敵うわけがありません」

「いやそういう問題じゃないだろ」

「そういう問題です。そもそも筆者は、2次元と3次元は完全な別物と心得ておりますので、2次元キャラクターに対して嫉妬の感情は起こりませんな」

「そうなのか」

「はい。ただ、人の価値観は様々なので、相手が2次元キャラでも浮気されたと感じる人はいますよね。浦島殿はどうですか?」

「俺もオタクだし、架空のキャラが相手だったら気にならないかな。ただ、彼女がアイドルに熱を上げてたら、ちょっとヘコむかもしれないよ……」

「結ばれる可能性がほぼゼロとはいえ、アイドルは実在の人物ですからね。スポーツ選手はどうでしょう?」

「それは許せるな。恋愛というよりも、そのスポーツが好きなんだろうし」

「わたくしこれまで、色々な人に話を聞きましたが、この辺の判定は本当に人それぞれなんですよね。特に法則性もなく……。それゆえ、自分自身に浮気のつもりがなくても、相手が不快に感じていないか注意したいところですね」

「美少女フィギュアを彼女が勝手に捨てた、とか悲劇だもんな」

「はい、ロミオとジュリエット並みに悲劇です。何もこの問題だけに限りませんが、たとえ自分と違っても、相手の価値観は大切にしましょうな。以上、亀と浦島の恋愛講座でした」

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