クリスマス・ブーツ
「どうも、浦島太郎です」
「わたくしは講師の亀でございます。クリスマスは終わってしまいましたが、今回は、素敵なプレゼントの話をいたしますぞ。なお、筆者の知人の経験談です。仮にYさん(20代女性)と呼びましょうか」
「ああ」
「Yさんの彼氏は仕事がとても忙しく、会えない日々が続いておりました。クリスマスに2人はデートの約束をしましたが、その日も彼氏の仕事が長引いて、会えたのは約束の19時を大幅に過ぎた21時でした。と、ここで突然、彼氏がクリスマス・プレゼントを取り出します」
「どうせブランド物のアクセサリーとか、ベタな感じだろ?」
「いいえ、プレゼントはブーツ型のお菓子でした。スーパーのレジ横で売ってるアレでございます。Yさんの彼氏は忙しすぎて、そのような物しか用意できなかったのです。仕事なら仕方ないと思いつつも、Yさんは怒ってしまいました。寒い中2時間も一方的に待たされて、疲れていたせいもあったでしょう。彼女は『こんな物いらない!』と言い捨てて、デートをせずに帰ってしまいました」
「で、どうなったんだ?」
「Yさんは帰ってそのお菓子を食べました」
「食べたのかよ!」
「まあ、捨てるのは勿体ないですからな。さて、お菓子を食べていたら、ブーツの底から見慣れぬ白い小箱が出てきました」
「まさか……?」
「開けてびっくり、それは婚約指輪でした!」
「おおっ」
「Yさんは、泣きながら彼氏に会いに行き、怒鳴ってしまったことを謝りました。その後2人は、永遠の愛を誓って結婚しましたとさ。めでたし、めでたし。なお筆者は結婚式に招待されず、この話はだいぶ経ってから聞きました」
「いや、そういうオチいらないから」
「とにかくこのように、いったん落としてから上げるのは、恋愛の重要なテクニックかもしれませんな! 以上、亀と浦島の恋愛講座でした」
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