第27話 疑問解決と在庫確認
同盟締結と、計画の始動が成されてご満悦の三人withわんこ。
可愛く着飾って、それを俺に褒められて嬉しがる女の子なあんこちゃん。
オシャレに疎くて全然させてあげられなくてごめんね。ほんとに。
濃紺と白のスカーフが特に気に入ったみたいで着けてあげた。洋服もお気に召したらしいけど、着たいのはたまにらしい。毎日は嫌だそうだ。
デカい袋の中身、その残りは俺の服だそうで、色々と男では気にしないような気配りのされた服が出てきた。
コート、手袋、ジャケット、スーツやシャツ、下着等が入っていた。この衣類だけでいくらになるんだろうな。
シンプルなのが好みみたいに言ったのを覚えてくれていて、変に凝ったモノやゴテゴテしたのは無かった。本当にありがとう!
持っていても使わないし、金もあるから一度換金して以来ずっとそのまま溜め込んでいた宝石類を全部さしあげようと思う。
お嬢様がお礼っ!感じでメイドさんのほっぺをぺろぺろしている......羨ましいぞ。
そこからは皆のテンションが落ち着いてきたので、はしゃいでいたお姫様はウトウトしだした。
俺の膝の上に乗せて、そのままおやすみタイムに......夢の中へと旅立っていった。
メイドさん達には、お礼にと追加で大福と緑茶を振る舞う。
追加が出されると、それをすぐに手に取り、瞬時に口へ運び嬉しそうにしているやかましい方のメイドさん。
この子達と王女さんは、もう仲間と思っていいだろうな。同じ志しを持っているし。
腹の中で何を思っているかまではわからないけど、表面上は利用してやる!とかどうにかして貶めてやる!みたいな黒い感じは全く感じない。
他の権力者がどうかはわからないけど、アラクネに良いイメージがついたのは間違いない。
他のアラクネがクソだったとしても、俺はこの子達とだけは交流を続けるだろう。なんかもう真っ直ぐすぎて疑うのがバカらしくなった。
という事で今度はちゃんと自己紹介をした。名前も付いたことだし。
異世界人とか、俺の能力とかはさすがに言わないけど。
アラクネ達は名前はなくて、王と王妃だけが代々受け継がれる名前を襲名していくらしい。
偉い身分の人や、特権持ちは役職名やらをそのまま呼ばれるんだと。他の人は貴女とか君とかだって。
大体の種族がそうであって、名前持ちは特別らしい。それに、名前が無くてもそれが普通なので、特に何も思わないんだそうだ。
よく見るような設定だなぁと思いつつ話を聞いていた。
言いたくなければいいと前置きしつつ、魔力の量と、大体の寿命を聞いてみたら普通に答えてくれた。
アラクネの種族は大体5~8万、あの実一つで約5,000増えたそうだ。
メイドさん達は現在約9万弱で、王女さんは10万を越えてるようだ。
寿命は平均700年くらいらしい。
人間は大体60~70年で死に、たまに200年越えや100年越えがいるらしい。魔力は1万行けば多いそうだ。
人間の高名な魔法使いは300年程生きたとの事。
次に、エルフは特に長生きで大体2,000年、ハイエルフはエルダーエルフとも呼ばれて5,000年を越えて生きているそう。
魔力は多くて非力。引きこもっているのと独自の魔法知識と力で、攻められても負け無し状態との事。
普通のエルフの魔力量は30~50万らしく、ハイエルフは情報が無いんだって。
種族により計算方法が変わるのかね......
魔力はあればあるほど肉体と魔力が融合していき、生身より長く生きれる......だって。
それを聞いて、俺の中での寿命という概念が消えた事を察した。
最後に見た時8億くらいだったし、まだ実を食っててレベルも上がっている。
そして種族も......人であり魔であるって......ハハッ!!
まぁわかっていた事だ。それが確信に至っただけでしょう。
次に解体について聞いた。
解体は頼めばやってくれるそうだ。解体を学びたいと言ったら、「そんな事は学ばずともいいのです。私達におまかせを!」と食い気味に言われた。
理由を聞いたら羊羹を食べているのを見られ、それを強請られてしまい、仕方なく分けてからメイド達の間で大人気だそうだ。
最初ちょっと不機嫌だったのは、そのせいで羊羹が消費されちゃった事と、喚ばれなかったから羊羹が欲しいのを伝えられなかったのが悔しかったかららしい。
普段の仕事よりも全力を出すので依頼してください!とお願いされてしまった。
たかが羊羹で、給料貰ってる仕事より全力を出すって......
それでいいのか万能メイド達よ......
先払いよりも、後払いで報酬を下さいとの事。その方が燃えて効率あがるんだってさ。
他のメイドも食いたい食いたいと煩いらしいので、普段は君達だけで楽しむ事と、他のメイドへは頑張ったご褒美で与える事を約束させた。
なので明日依頼の品を持ってくる時に収納の付いた物を持ってくれば多めにあげる。と伝えたら狂喜乱舞してた。
話も一段落した所でそろそろ他の仕事と、解体や革の処理が終わった頃らしいので解散する事に。明日の夜八時頃に招くと伝えてから送還した。
ふぅ......濃い時間だったわ。
しかし羊羹がバズってたのは意外だった。
甘味が少ないのか、未知の甘味が珍しいのかわからないけれど、和菓子ラブの仲間が増えるのはいい事だと思う。
あっちじゃ若いのは羊羹をわざわざ食うくらいなら洋菓子だったもんな。水ようかんは別だったけど。
明日、詳しく甘味事情や甘味の値段とか聞こう。
あぁぁぁぁぁ!魔法事情聞き忘れた......これも明日聞こう。
さて、暇になった。お姫様はすやすやなので、とても暇だ。
夕飯まではまだ時間があるし、これから何をしようかな。
装備品は全てメンテナンスフリーというか......魔力を使うだけでキレイになるし......
あっ、あの森で拾ったモノを鑑定してみよう。目に付いたキレイそうなのモノや、珍しそうなモノをただ拾ってきただけだったし。
収納から拾って来た物を取り出す。
まず1つ目はこの立派な草!鑑定さんお願いします。
▼オイタナシア
まるで眠るような死を与えられる草
乾燥させ粉末にすれば無味無臭になる▼
最初っからやっべぇもんが出てきたな......
変なテンションになってこれを口にしなくてよかったわ。多分無事だったろうけど。
めっちゃ在庫あるよコイツ......
次はこのキレイな拳大の石!
▼不壊石
決して壊れず、欠けず、加工できない石▼
これまたやべぇもんだけど使い道ねぇな......キレイなだけだ。
これもめっちゃあるけどどうしよう......
次は魔樹の枝であろう枝
▼魔樹の枝
樹木が魔力をゆっくり長い間取り込み続け変質した物の枝
魔力を通しやすく増幅させるので魔法使いの杖の素材に最適▼
合ってたよ!やったね!じゃあ葉っぱも見てみよう。
▼魔樹の葉
樹木が魔力をゆっくり長い間取り込み続け変質した物の葉
万病に効く万能薬で、恐ろしい程の即効性を誇る
しかし、この世の物とは思えない苦味が数時間続く▼
魔樹はチート。
そしてメリットがクソでかいが、デメリットがその偉大なメリットをもってしても、躊躇させてしまう劇物だ。
多分根とかにも特殊な効能があるだろう。根はもってないけど。
次はなんかよくわからんデカい......棒か?
湖の浅瀬にあったやつで、妙に気になって収納してしまった。
▼サヒモチの背骨
ワニとサメの間くらいの幻の生物の背骨
大太刀や片刃の長刀に加工すれば凄まじい斬れ味の名刀になる▼
これまたやべぇもんを......
骨には見えないけど骨なのか。そしてワニなのかサメなのかハッキリしてほしい......
あとは光の加減で色んな色に見える小石だな。
▼精霊の核
永い時を生きた精霊が死ぬ時に残す物
所持者の魔力を吸収し続け、貯まりきった時に所持者の望む奇跡を起こすと言われているが貯めきった人がいないので定かではない
魔力を貯める人が途中で変わると、貯まっていた魔力を全て放出し爆発を起こして壊れる▼
......これは持っててもいいのか?でも手放したら爆発寸前の爆弾を放置する事になるよな。
俺の魔力を既に貯めているっぽいから......
うん。これは持ってなきゃやばい。
それをすてる なんて とんでもない▽
がリアルに起きてしまうとは......
最初の一文を読んだ時は精霊の祠を見つけた時に奉納しようかと思ったのに......
他にめぼしい物は無かったので、鑑定作業はこれにておしまい。
よし!もう夕飯の時間になってるから飯を食いに行こう。
だいたいの物がやべぇモンだったので、記憶の片隅にぶん投げて、収納に死蔵しておこう。
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