上にいるよ

くん

第一話 にようゐ

 「んぁ?」突然の尿意が、私を不細工に目覚めさせた。私は脊髄反射的にスマートフォンを開いた。

 「一時...五十五分」私はなんとも嫌な時間に起こされてしまった。深夜の一時五十五分。それは深夜二時になる一歩手前。なんでも、深夜二時にはお化けが出るらしいじゃないか。大っ嫌いな真っ暗な空間、しかもそこに幽霊ときた。私は心底がっかりしながらも、膀胱が破裂しそうなのを感じた。私は覚悟を決め、布団からバッと起き上がり、便所へ向かおうとした。部屋の戸を開け、廊下へ出る。タイムリミットはあと五分。深夜二時までに済ませねば。

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