第一階級悪魔の私でもムリでした!

富士蜜柑

ハグの日ss

どうも皆様。

可愛くて強い、けど可愛い皆様のエウロパちゃんです。

いえーい。

本日はハグの日、らしいです。

ハグといえば愛情表現。

愛情表現といえば、可愛い。

可愛いと言えば私!

ということで私エウロパちゃんが、みなさんに当然ハグするドッキリを仕掛けたいとおもいまーす!!!

れっつごー。


えー、ここで問題が発生しました。

シュミカさん、カロンさんが今買い出しに行っているとのことでいらっしゃいませんでした。

残念…。

なので、ドッキリを仕掛けるのは、我が御主人アヤ様と、短気系特化型魔法使いのイオさん2歳(世紀単位)に絞って行おうと思いまーす!

ではまず2歳児(世紀単位)イオさんから!


「イーオさん!」

「なに、エウロパ。何か用?」

うわぁ。この人初顔合わせから私の扱い雑じゃありません?

こんなに可愛いエウロパちゃんが、自分から声をかけてあげているというのに。

まあ別に、2歳児(世紀単位)なんかに腹が立ったりとかはしませんけどね。

可愛いらしい反抗だと思えば。

あ、いや、可愛いのは私ですけど!

「後ろ、向いてもらえますか?」

「何?まあ、良いけど」

イオさんは従順に後ろを振り返って、私に背を向けてくれました。

えい!

必殺、エウロパちゃんのバックハグ!!!

「え、暑苦しいからやめてくれない?やなんだけど」

背中側から首へと伸ばした私の手をペシっと払い、そのままスタスタ歩いて行ったイオさん。

「え、ちょ。えぇ!?」

ひどいです…。


気を取り直して、アヤ様に!

ふっふっふ。

きっとアヤ様なら、可愛い私の可愛い行いを、可愛いと言って許してくれるに違いない!

「アヤ様アヤ様!」

廊下を歩いていらっしゃったアヤ様を、後ろから声をかけてみる。

「ん?何?エウロパちゃん」

後ろから声をかけた私の方を振り返ろうとしたアヤ様目掛け。

必殺、エウロパちゃんの正面からの熱烈ハグ!!!

「わわ、どうしたの?急に」

振り向きざまに抱きつかれたにも関わらず、バランスを崩すことなく私をしっかりと受け止めてくださるアヤ様。

「えへへ、ハグしてみました」

「ふ、ふーん」

私の頭を撫で撫でしてくださりながら、ぎこちなく仰るアヤ様。

「これ、みんなにやってるの?」

「あ、いえ。さっきイオさんにやって、アヤ様で最後です!」

私が答えると、アヤ様は頬を小さく掻かれました。

「イオちゃん嫌がったでしょ?」

「ええ、それは猛烈に…」

「イオちゃん、猫みたいに人から触られるの嫌みたいなんだよね。私も前それでこっぴどく言われたっけ」

アヤ様は苦笑なさる。

「そうなんですね。それは一ついいことを聞きました!」

ほうほう、イオさんは触られるのが嫌なのか。

なるほど。

「悪巧みとかしちゃダメだよ?」

「わかってまーす」

私はアヤ様に笑いながら答えると、イオさんのもとへとスキップで向かいます。


いーいこと聞いちゃったー。

えへ。


その日、買い出しから帰ってきたシュミカとカロンは、イオに思いっきり叩かれ、大きなたんこぶを作った少し可哀想なエウロパを見たとさ。

おしまい。

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