第93話 麦とろ

ここのゴルフ場コーナーを過ぎると、結構急な下り坂で

16インチ前輪のバイクだと、怖かったりする。

CBX750Fもそうで、後ろ18だから・・・前から滑る傾向がある。


なので、俺はと言うと


流れるのを予測して、インよりに走っていた。


下りだと尚更。


ハンドルを抑えちゃうと、曲がらないし、滑る。


Nし山もそうみたい。


まあ、ドリフトさせるのでわざとそうしてたのかもしれず(^^;



RZVだと、でもそんなに怖くない。軽いから。

174kg。装備でも194である。


だから、RZVで行くと気楽だった。


2か3速くらいで。6000くらいかな。腰でささえて、ハンドルはフリー。

そうすると、けっこう曲がる。



下りきると、沢沿いの右コーナー。

緑が綺麗なところ。でも狭いから、飛ばすのには向かない。


対向車がはみ出してくる事もあるから。


かといって、あんまりアウトを走ると滑りそう。




反対に、冷川から来ると楽しい左コーナーで

結構遊べる。



CBXで、ここを走っていて

急にギアが抜けて、アウトに孕んで怖い思いをしたので・・・・

それでRZVに乗り換えた、ってワケ。



CBX750Fは、HRCのキットも出てたんだけど

ミッションが弱いとは、あんまり聞いた事無かったけどなぁ、と・・・。



公道は、ある意味サーキットよりハードなこともあるので

それでかもしれない。


YZF-R1なんかも、ミッションのリコールがよく出ていた。

歯車の単純な割れとか、そういうレベルで。







その、右コーナーをすぎて少しのところに、右手に

麦とろのお店があった。



こんな山の中に・・・?と言うようなところで

景色がいいわけでもない谷間。



だけど、こういうドライブが好きな連中がよく、ここでメシを食っていた。


とろろを、麦ごはんに掛けるだけ、と言う単純なものだけど


Nし山は、大メシ食らいなので・・・

ご飯が小さなお釜で来るんだけど、それを3つも食っていた(笑)。




それで50kgしかないのは、なんというか燃費が悪い人間である。



燃費、と言うと・・・バイクの方は


ここをCBX750改で走ると、15km/lくらい。


YZF-R6と同じだから、そんなもんだろうと思う。

燃費が同じと言う事は、概ねトルクも同じ。



(ノーマルの時は、20以上走った)。



RZVは、8くらい。


2stだからね。そんなもんだろう。全開走行だし。


ちなみにYZRと同じである(笑)。






当時は、こんな風に

いい道のそばに住んでて、走るだけが楽しみで生きている奴も

一杯居た。




みんな、いい奴だった。


走るのが好き、それだけだったから。


俺もそうで、山のそばに住んでいなかったら

乗っていなかっただろう。



サーファーが、海のそばに暮らす、みたいに。


そういう人生もいいものだ。




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