第56話 TY50の思い出

*バイクと思い出*



いろいろな事があったけれど

バイクって、乗り始めた頃が一番楽しかったような気もする。



たとえば、こんな感じ。


今日はちょっと思い出バナシ。

昔々のコト、について。


その頃の俺はまだ中学生で、当然のことながら免許はなかったが

田舎のコトだから、兄貴が買ったTY50で空き地トライアル、なんてやっていた。



そういう俺を知ってか知らずか...




ホームルーム・エンジェルが俺に声を掛けてきた。





「バイクに乗せてくれない?」





昔は、バイク持ってればモテル、なんて噂も多かった。

そのまんまモーテル、なんて妄想を抱くのは、やっぱり思春期、第二次性徴期(笑)




でも、俺はこの申し出を丁重に断った。

もちろん、無免はヤバカッタからだ。




それに、TY50はシングルシートだから彼女の美しきお尻(笑)を

痛めてしまうに違いない、と思った。




そういう訳で、何を血迷ったかこの時の俺は

公道用自転車に座布団載せて彼女を乗せた。



もちろん、彼女に後で乗った、なーんてオチはありえない。

まだコドモだったから。






この子、足を開くのは恥ずかしいと言って横座りするから...

(ずっと後、XVの後ろに乗せたときも横座りしておまわりさんに怒られたが...)

ちょっと運転しにくかったが、それでも楽しい休日だった。




おまわりさんに怒られたが(笑)。



この頃の俺、はギター少年でもあったから

よくこんな感じで女の子を自転車に乗せたりしてた。



そう、ギターもまたこの頃は軟派アイテムだった。




だから、田舎町の駐在さんは俺を見ると、

「あのフォークソング馬鹿の色狂い」なーんて言ってたものだった。



どーだ、羨ましいだろ、なーんて駐在さんに悪態ついてた俺だったが(笑)



今ではなつかしい思い出だ...


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