第50話 SR400と、なおみちゃん 2004/7/37

日記 1978/


[SR400 & a little romance]



当時のSR400は、今のモノとは違って

19インチ前輪にブロックパターンタイア、アルミリムに前輪ディスクブレーキ、

メッキの角形ミラー。

VMキャブ。

黒い文字盤のメーター。


と目立ったところはこの辺。


スクランブラーっぽいムードもあった。


発売当時はまったく人気がなくて、現在まで続くロングセラーになるとは

夢にも思わなかった。当時は。



で、俺はこのSR400にダンストールマフラーをつけて、

キャブをセッティング、それなりに速く走っていた。


(ちなみに、シングルの4ストは大体吸気系でパワーダウンしてるので

エアクリーナーをはずしてジェッティングするだけでパワーが全然違うのだ。

しかし、排気音がムチャクチャうるさくなるので、これで市販はできない..と

そういうワケ。ヤマハもさぞ悔しかっただろう。遅いバイクだと思われたのは。

ノーマルキャブだって、マフラーをダンストールにしてセッティング出しただけで

すごい早さになるのだから。)



このSRのアイドリングをどこまで落とせるか、というのが当時のマニアの遊びの一つだった。

あんまり落とすとエンストして大変だから、俺は750rpmくらいにしていた。

激しい奴は600位まで落としていたらしいが...



このSR、低周波の振動が良いと女のコに人気(笑)

.......ホントかどうかは知らない。


ちなみにベテランのオンナはRZVの高周波振動がイイとか(?)



それはともかく、この頃の高校生の女の子は

今の女子高生みたいに開放的じゃなかったから



やっぱ、SRにタンデムするんでも人目が気になったりした。



まあ狭い田舎町のこと、排気音がデカイSRなんかに乗ってたら目立つのは

もーしょーもない。



そういう事を気にしないようなオンナたちもSRに乗りたがったが....

(授業中に手紙が回ってくるのだ。「ねー、オートバイのっけてよ」とか)。



俺も一応、まだ若い男のコだったから(笑)相手を選んだ。

今だったら片っ端から(^^;)だろうが。




んで、一応理由のある軽音楽部のなおみちゃんをよく乗せた。

一年後輩のこのコは程良い背丈で、丸顔に短い髪で

ぽよぽよ、とした感じのよく笑うかわいいコだった。


階段の下にある軽音楽部の倉庫で、俺がよくギター弾いていると

なおみちゃんがよく遊びに来て、冗談言ったりしてよく笑わせてたりした。


ウチの学校の女子の制服は、夏はこう白い開襟シャツだけで

下は紺のプリーツスカート、と言う

当時としては地味なものだった。


でも、真っ白なシャツだけなので下着が透けてしまって(喜)

高校生の俺としては、それだけでも楽しめたし、

狭い倉庫でなおみちゃんと二人でいると、その雰囲気でも楽しかった。


「スタジオに乗せてってください」


と、まあ控えめに言うのだが、練習スタジオへ一緒に行くのだからまあ当然だ、と...





理由は成り立つ(笑)。





それで、俺は彼女用のヘルメットも用意したりして

一緒にタンデムして、よく遊びに行った。



SR400はシートが短いし、タンデムグリップが無いから

なおみちゃんは俺に両手を回して前で握手するみたいに手を重ねてた。



女の子ってやわらかいなぁ、(笑)



なーんて、そんなコトで喜んでいた少年の俺だったが

その感触でコーフンするような年頃でもあった。




夏祭りとか、花火大会とか...

いろんな所に一緒に遊びに行ったりした。



今、シングルのエキゾーストノートを聞くと

この頃の夏の事を思い出す。


花火大会の後、海岸道路をゆっくり流して岬まで行った事や..

夏休みに長野まで行った事。



トゥルーカラーの写真のように記憶には残っている。



そのなおみちゃんの家は、今でも同じに電話局のそばに建っている。

佇まいも、そのまま。



さあ、今はどうしていることやら....

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