第49話 1978 SR400 37

日記 1978/


[SR400 & a little romance]




1978年の東京モーターショーにSR400は出品された。

それまでにないスタイルと、XS1にも似たグラフィックを俺は気に行った。

んで、バイトで貯めた金でこれを買う事にし...


足りないぶんはローンを組んだ。


28600×10回ローン。



SR400は楽しいバイクだった。


当時の400は、なんとなく750に乗れないコンプレックス、みたいなモノが多かった中、

スリムでバンク角も深く、必要にして十分なパワー。



箱根の峠道は楽しかった。



当時は750ccでも70ps程度で、しかもタイアがプアだったから

これでも十分速かったのだ。



この頃はバイト先でいろんな出会いがあったが、

一番最初はスーパーのバイトで一緒だったヨーコさんで

すこし年上の19歳、素朴な感じのする...

柔らかな感じの美人だった。


伊豆の海岸に住んでいた彼女は、就職で俺の街に越してきて

んで、ひとりで淋しかったらしく...


バイトの帰りに、よくSRの後ろに乗せてドライブしたり、彼女のアパートに送っていったりした。




それは楽しい想いでだったが、いつだったか夏祭りの夜、

たまたまトモちゃんに駅前で会った時...




浴衣姿のトモが、女のコ同士ではしゃいでて、

俺を見つけて無邪気に手を振って呼び止めて..


んで、「大きいバイク買ったんだ〜、だったら教えてよ〜」と、甘ったるい感じで言うのを聞いて

(このコは、どちらかと言うとさとう珠緒的なムードがある)



....なーんとなく、後ろめたい気持ちになったのもま、事実である(笑)



それはともかく、タンデムライディングも楽しめる自動2輪は

駐在さんの勧め通り、楽しかった。



いろんな女の子を乗せた(笑)。


軽音楽部の後輩のナオミちゃん、ゲーム場のバイト姉さん、

イトーヨーカ堂でバイトした時の店員のオネーサン、楽器屋の風間さん。

レコード屋のタナカさん。本屋さんの美紀ちゃん、キミちゃん、ユミちゃん。

本屋の二階のサ店のユキちゃん....


みんなカワイイ子だった。




第二次性徴期(笑)




そんな感じで、俺とSR400は名コンビだった。

ツーリングで紀伊半島一周をしたりして、バイク雑誌の編集部員に偶然会ったりして、

んで、バイク雑誌に載せて貰って(この時の出会いが、後でいろいろ役に立ったり...)



いろいろと楽しい出来事が多かった。

いい時代だったのかもしれない。




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