第32話 ミシュランタイヤの威力

日記 1986/


[タイアの噺 3].


残るは、フロントタイアだが、こちらもノーマル互換サイズとはいえ

非常に手応えのある組み心地だった。

ビードも固く、フィラーもしっかりとしている。


この当時からハイ・スポートはケブラーコードだったから

(どっかのアホが嫌いなデュポン社の製品である。笑)。

当時としては軽くて強くタイアはしなやかであった。



前後汲み上げてタイアを装着したRZVは「YZRに見える」と

根本健氏をして言わしめた程の迫力である。


特にリアから見た眺めは壮観であるから、これだけでもう、十分だと俺は思った。


バイクは乗って、見て楽しむものだ。

誰がなんと言おうと、自分が良ければそれでいいのだ。



さて、とりあえずお待ちかねのテスト・ライドだ。


ここのバイク屋は例のパークウェイ(ライダースクラブの写真を撮ったアソコだ)の下にあるから

とりあえずそこに上る事にした。



ゆっくりと登り、タイアを一皮むいてからちょっとパワーを入れてみる。

リア・タイアが太くなったから足応えはあるが、それほど頑固なステア特性ではなく

アメリカン・レーシングライダーのようなステップワークでコーナーをクリアすれば

太いタイアのグリップをフルに使い、直線的に立ち上がる事も可能で

その時の安心感も抜群だ。




(だから、それができない奴にはこのタイアは向かない。ただ重いだけのタイアと感じられるだろう。

「乗れたものではない。速攻で捨ててBT17の130に代えた」という者も居たが

まあ、自ら「ライディングが下手だ」と言っているようなものだ(笑)。

RZVはライダーを選ぶマシンだ。ミシュラン・ハイ・スポートもまた然り。

ヘタクソは長期ローンで外車でも買ってエラそうにしてりゃいいのだ(事実、その通りの者も居るようだが笑)。




ヒル・クライムを軽くながしただけで解るハイ・スポートの凄さ。


漫画「バリバリ伝説」のバイク屋の親父さん曰く「タイアの威力ってすげーんだぞ、

ちょっとエンジンなんていじるよりもな」と言う言葉を俺は、ちょっと思い出していた(笑)。



...もちろん、バイクバカの悪友Nし山の影響である(笑)。

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