第3話 2021年3月11日(木)「やまとじライナーの思い出と」

 10年前は、金曜日だったな、と、昼間はしがないSESの、なみかわ みさき(45)は、テレビの中継から顔を伏せて黙とうをした。







(シリアスとギャグのあいだ)
























 今回の『走る』、もちろん脳内では雨を避けたロッカールームのあれが再生された。そして、去年のKAC 2020で、サイバー・オリンピックという作品を書いたら、結果月間で『スポーツ』のタグで10位を獲得し、カクヨム通信でも紹介されるというびっくりなことになったこととかを思い出した。

 なので今回もその世界観で好きなように書いた。サイバー・オリンピックの世界とは地続きではない。あり得ない言葉を適当に並べて、トンデモな設定にするのが好きで。

(それでも読者に共感されなかったら、ただの自己満足ですよね)

 けいはのつぶやきもその通りだ。やまほどある設定の組み合わせは、すべてが誰にでも受けることはない。しかし表に出さなければ、誰に受けるのかすらわからない。

 いつかたどり着くのだろうか。『読者に』打ち明けられるのだろうか。そういえばこの音楽も、『僕』やペイターにごっそり見つかって、いっぺんに再生されるのだろうか。


(そうやってまたまたかっこ良さそうに書いて、早く投稿して、次のお題が出るまでの間に、藤井先生の将棋やるんでしょ……?!)

 私は去年の誕生日に知人からもらった、透明(いや、まじで)のswitch対応無線コントローラを振りかざし、私はswitchのスタンドを立てた。

「今のトレンドは、ワリオのピクロスやで」

(おっと、そのプレイスタイルでいいんですか? テレビにつながなくていいんですか? 升目見えてますかグハア)

 そして無駄に内蔵の7色LEDを光らせてやった。

(目がー、目がー!)







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