第9話 最後の戦い(前編)
アメリカン・ニンジャ
これまでのストーリー
ニューヨーク市警の刑事ジョナサン ・ブライムは同僚の刑事たちを皆殺しにしたイチヤマ組の新しいボス ヒロ・ヤカモトを追って日本へやって来た カブキチョウ警察署のヤクザ ニンジャ対策課に
アメリカン・ニンジャは短期間に習得したとは思えないような
バッタ バッタと敵を切り捨てていく 「死んだ魚の目」の刺客たちを返り討ちにしたアメリカン・ニンジャだったが悪のニンジャとヤクザが仕組んだ計画は着々と進行していた
ネオミ・リーは近々シンジュクの街のあちこちに設置された大型ビジョンにカツカレーの映像が流れる飯テロが計画されていることを突き止めシンジュク治安警察とカブキチョウ警察署の合同チームは決行直前にそれを阻止する
悪のニンジャ組織「死んだ魚の目」はカブキチョウ警察署を襲撃し大勢の署員と共にトヨダも命を落としてしまう
ニンジャたちに囲まれたネオミ・リーだったが そこへ現れたブライムことアメリカンニンジャに助けられ二人はゼンドーの協力もあってヤクザと悪のニンジャ組織に立ち向かっていくのだった
カブキチョウ警察署が襲撃され多数の死人が出たことに激怒したシンジュク治安警察の新たな統括捜査本部長に就任したタケシはニンジャやその背後にいるヤクザたちを手当たり次第ターゲットにした
故イチヤマ組長の息子イチローは家業を嫌い父親と絶縁し起業家となっていたが
タケシのシンジュク浄化作戦によって理不尽に命を落とす
そんなタケシのやり方にネオミ・リーは抗議するがヤクザとニンジャ根絶やしを遂行するタケシはアメリカンニンジャにもその
シンジュク治安警察の機動部隊に追い詰められ絶対絶命のアメリカンニンジャだったがタケシに
そしてネオミ・リーも裏切り者の汚名を着せられてかつての仲間たちに追われる身となる しかし署内にはネオミ・リーを陰で支援する人物もいた 昔のネオミの恋人でFBI帰りのショウヘイ・セガだった
シンジュクは治安警察とヤクザ&ニンジャの抗争が激化し街は戦場となる
タケシは公用車にヤクザが仕掛けた爆弾で命を落としヤクザ&ニンジャは容赦なくシンジュク治安警察に報復して行く
そんな中いろいろな事件を解決したアメリカンニンジャとネオミ・リーだったが「死んだ魚の目」のボス カゲトラはアメリカンニンジャと決着をつけるべくゼンドーの隠れ家にニンジャ軍団と共に乗り込んで来る アメリカンニンジャとネオミ・リーは必死に応戦するがゼンドーは元弟子カゲトラとの勝負に敗れる
師匠がカゲトラに倒された光景を目の当たりにしたアメリカンニンジャは凄まじい怒りのエネルギーで
ここから本編(ファスト小説版)
(解)ファスト小説
※それはあらすじみたいなもの
アメリカンニンジャはネオミ・リーが用意した隠れ家のベットに上半身裸に包帯をぐるぐる巻きにした傷ついた体で横たわっていた いやニンジャコスチュームは脱ぎ捨てたジョナサン・ブライムの姿で
そしてさっきまで閉じていたまぶたをゆっくり開けると そこにはネオミ・リーの顔があった
※二人の会話はもちろん英語です
「気がついた?」
ネオミ・リーがブライムに言う
「‥‥」
ブライムは黙ってネオミ・リーを見つめる
ネオミ・リーは微笑みながらブライムの額に置かれたタオルを冷えたタオルと取り替える
「‥‥マスターゼンドーは?」
ブライムのその質問にネオミ・リーは目を潤ませ首を横に振る
ブライムはネオミのその仕草に全てを察したように黙り込み 二人の沈黙の時間がしばらく続くとブライムはやっと重い口を開く
「‥‥俺には戦わなければいけない敵がまだ残っている‥‥ 行かないと」
とベットから起き上がろうとする
「その傷じゃ今は無理」ネオミはブライムを
ブライムはネオミを安心させるように明るい表情を見せ カタコトの日本語でネオミに語りかける
「オレワ ニンジャ ダ」
ヤカモトの屋敷
イチローの妹であり故イチヤマ組長の娘ヨーコはヤカモトと恋人関係にあったがヤカモトが父であるイチヤマ組長の殺害をカゲトラに依頼したことなど知る
ヤカモトが黒いネクタイを締め身支度をしている
※二人の会話はもちろん英語です
ヨーコがヤカモトに言う
「私のお腹にはあなたの子が」
「‥‥」
ヨーコの告白を聞いたヤカモトはそれを察していたかのように黙ってうなずく
「どうしても行くの?」
「ああ」ヤカモトがヨーコに答える
「あなたが心配 相手はアメリカンニンジャよ」
「‥‥心配するな 俺はあいつに勝つ そしてまたお前の元に戻ってくる」
「約束して」
「俺がお前との約束を今まで破ったことあるか?」
「あなたを信じてもいいのね?」
その言葉にヤカモトは黙って優しくヨーコに微笑む
決戦の場(どっかの青果倉庫)
↑なぜそこが決戦場になったかは
アメリカンニンジャが決戦の場に歩いて向かう(スローモーション)
近くの結婚式場から鐘の音が聞こえてくる
そして空に羽ばたいた白い鳩の群れ
アメリカンニンジャは警戒しながら裏口の扉から中に入り
狭い通路を通りやがて広々とした空間へと出た途端ツーンと果物(パイン)の甘い匂いが漂ってくる
そこには全員黒スーツ姿のヤクザが20人ほどが銃を構え並び
その列の真ん中にはヤカモトが不敵な笑みで口を開く
「よく来たな アメリカンニンジャ」
※二人の会話はもちろん英語です
「今日お前と決着をつける」アメリカンニンジャはヤカモトにこう宣言する
「ああ望むところだ 今日は死ぬにはいい日だぞ アメリカンニンジャ おっと その前にお前に見せたいものがある」ヤカモトはそう言うと子分のヤクザに
「おい!連れてこい!」と指示を出す
そこに二人の手下にそれぞれ後頭部と背中に銃口を押しつけられ無理やり歩かされて出てくるネオミ・リーの姿が
彼女はアメリカンニンジャの顔を見てバツの悪そうな顔で
「‥‥ごめんなさい ジョナサン」
アメリカンニンジャはヤカモトに言う
「彼女は関係ない 俺とお前の勝負だ 彼女を離せ!」
ヤカモトは不敵にアメリカンニンジャに言葉を返す
「そっちが先に約束を破った 何を今更」
「俺は知らなかった 彼女のことは」
アメリカンニンジャの弁明に銃口をこめかみに当てられたネオミ・リーが叫ぶ
「そうよ!私が勝手に」
「女は殺す だがお前を殺した後でな」
ヤカモトはそうアメリカンニンジャに言うと手に持った
「お前を殺すのに銃は使わん 俺と勝負だ!アメリカンニンジャ!」
アメリカンニンジャもそれに応えるようにゆっくり刀を抜くと身構える
ヤカモトの手下たちはおとなしく二人の決闘を見守る構えだ もちろん親分であるヤカモトがピンチになった時はアメリカンニンジャを銃で始末するだろうが
ヤカモトは「アイヤー!」という雄叫びを上げながらアメリカンニンジャに刀を振り下ろす アメリカンニンジャは刀でそれを受け止めると壮絶なチャンバラ戦になる アメリカンニンジャは悪のニンジャ カゲトラとの戦いで負傷し本調子ではなかったが それでもニンジャではないヤカモトの攻撃に防戦一方だった
「驚いたか?アメリカンニンジャ 俺の強さに」
ヤカモトはアメリカンニンジャの刀の上からジリジリと力を入れ刀を顔に近づけていく
「なぜだかわかるか?はぁ!」
アメリカンニンジャは力を振り絞りヤカモトの刀を押しのける
「俺はケンドー七段だ!」
ヤカモトはそう叫びながら再びアメリカンニンジャの頭上めがけ力一杯刀を振り下ろす ヤカモトの強烈な攻撃にアメリカンニンジャはたまらず仰向けに倒れる
ヤカモトはアメリカンニンジャが防御している刀の上から自分の刀を力強く押し付けアメリカンニンジャの顔にその刃を徐々に近づけていく
「剣術を習得したところで しょせん お前はアメリカ人 本物のニンジャにはなれん」
アメリカンニンジャはヤカモトの刀の圧を必死で受け止める
「死ぬ前に本物のニンジャの極意を教えてやる ゼンドーがお前に教えなかった極意をな」ヤカモトは上からアメリカンニンジャの力を上から力強く押しつける
「ニンジャの極意とは敵を倒すためなら手段を選ばずだ!だからお前は甘い 甘すぎるんだよ!それと刑事という正義感が邪魔をしている 相手を殺すことをためらうな!これはカゲトラの言葉だ」
ヤカモトはそう言うと床に仰向け状態でアメリカンニンジャが防御している刀の上から全体重をかけ自分の刀を押し付けてくる
アメリカンニンジャは鍛えられた腕の力でなんとかヤカモトの刃を顔の右横にそらし
「お前にトニー(ヤカモトに殺されたNY市警の相棒)からの贈り物がある」
「‥‥?」ヤカモトの動きが一瞬止まるが ニャっと笑い首を左右に振ると また一段と刀を高く構え叫ぶ
「死ね!アメリカンニンジャ!」
その時 パン!と乾いた発砲音がしヤカモトは額を撃ち抜かれ刀を振りかぶったままドカッとダイレクトに崩れ落ちアメリカンニンジャの右半身に体を預ける
アメリカンニンジャの手にはトニーの形見の拳銃が握られ銃口からは煙が立ち上っている
仰向けで銃を構えたアメリカンニンジャは自分の体に覆いかぶさり刀を持った手を伸ばし絶命してるヤカモトに向かいカタコトの日本語で言う
「オレワ ニンジャ ダ」
〜最後の戦い(後編)に続く
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