第5話

構想は決まった、あとは準備と実行だな。

ふむ、場所がアパートだからな。血だらけにすると後始末が大変になってしまうから片付けやすい所でするか。となると風呂場でやれば血も固まらないし掃除もしやすいだろう。


次はお金の準備だ。予め下ろしておいた150万円を封筒に入れて、遺言書代わりのメモを横に添えてテーブルの上に置いた。これで大家さんが発見した時に事情をわかってもらえるだろう。150万円でクリーニング代足りるといいな、事故物件扱いにもなるだろうし、まあ無責任だが知ったことでは無いんだけどさ。


次は刃物か。 家にある包丁でいいかな、いや少し錆びてきてるな。さすがに後で買いに行こうか、それにこいつは長年僕の胃袋を支えてくれた相棒だし、最後くらい休ませてあげるか、父もこの包丁で作った料理を食べていたし思い出の品ってやつだ。僕の血で汚す訳にもいかないしな。ホームセンターに買いに行こうか。


こうして僕は最後のお出かけをした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る