■ キャラ紹介と用語解説⑦ ■

主に第33章から第38章までのキャラ紹介です。

年齢と民族の隣に、初登場回もしくは名前の初出回を記載しています。


◆トレモロ町の偉い人々◆


【グレゴリー・ワンダーベル】 故人 崖牛族 第28章

トレモロ町長で歴代2番目に評判が悪い、1番悪いのは彼を婿入りさせたエリザベス町長だ。ワンダーベル家の入り婿で、元はクレイト出身。傲慢で独善的。毎晩、娘ヴィーナスに酌をさせ、政治と愚痴の話を聞かせていた。ある晩いつものように怒鳴り散らしていたら、突然、血管が切れて死んでしまった。


【オズワルド・レイクウッド】 故人 土栗鼠族 第30章

彼は素晴らしい木工人だが、経営の腕となると片手を落とす。『レイクウッド社』の先代社長で、アルバートの父。毎朝、アップルパイを食べるのが日課。ノアの大工事を引き受け、会社をラヴァ州一の大企業にしようと画策した。目論みは失敗し、憤怒を抱いたまま、ギャリバーの追突事故で死亡した。


【フレデリック】 故人 昼羊ひるひつじ族 第30章

善き執事のいる家は繁栄し、執事が去ねば没落する。50年ゴブレッティ家に仕えた老執事。幼少期はトレモロの貧民街で郵便配達をやっており、その働きぶりからゴブレッティ家の使用人にスカウトされ、庭掃除からキャリアをスタートさせた。37歳の若さで執事になり、59歳で肺炎で亡くなった。


【ボラリスファス】 故人 巻鹿族 第34章 

巨漢、道化、美食、守銭奴——それが彼を表す言葉のすべてだ。ルオーヌ州出身で、トレモロの神官長になった。ヴォルフガングの親友を自称しており、ゴブレッティ家の財産を吸い取り、ワインを嗜みながら急死した。彼の後任はイシュマシュクル。同郷にして同類である。


【ビシュ・イザ】 79歳 九官鳥きゅうかんちょう族 第34章

その瞳は犯罪者より鋭い。先代のトレモロ警察署長。クレイト州高官の第1秘書を父に持ち、他人を蹴落としてでも成り上がる事をモットーとし、狡猾でストイックに育った。彼の夢は叶ったが、トレモロの治安は悪化した。まだ存命で、今はグラニテ地区に住んでいる。



◆トレモロ町の人々◆


【ヤピティとタタティ】 40代 水豚すいとん族 第33章

うちの温泉ならどんなお肌もぷるんぷるん!夫婦で温泉施設『ボルケーノ』を運営している。先祖はシュタット州からの流れ者で、数代にわたって水脈を探し、ついに温泉を掘り当てた。夫婦どちらも頬っぺたと二の腕がぷるぷるしている。


【メリーシープ】 58歳 夜山羊よるやぎ族 第30章

図書館の本をすべて暗記しているそうだ。自分の仕事に誇りを持つ図書館司書である。休日ですら本を読みに図書館へ通ってしまう。睡眠中に寝ぼけて本を読む事もあるようだ。寝ている時に読んだ本でも、内容は脳に記憶されている。


【ヤドヴィ・ビヴィー】 55歳 円梟族 第36章

何がイヤかは本人にも分からない。「イヤだわ」が口癖の図書館司書。実家は鍵屋。図書館の本は、たまに彼女から抜け落ちた羽毛が挟まっている。10年ほど前、彼女の羽根が入ったページが入学試験に出たと噂が広まり、以後、幸運と勉学の印だとウワサされている。


【ジェラジョー】 27歳 黒輪猿族 第37章

アーシだよ。アパート『マリワナナ』の管理人。アパート内は、夢と水煙草と彼女のマンドリンの調べが漂っている。管理室にはハンモックがかかり、レコードが100枚以上積まれている。彼女の尻尾には多くの情報が集まっている。



◆トレモロ町外の人々◆


【白猫のロンゾ】 内緒♡ 円猫族 第33章

毛並み艶々、マシュマロボディの中年男性。アルバ御用達の魔術書専門店『マジリコ通販』の営業配達員。ラヴァ州担当で、毎月ショーンに本を届けていた。アルバとの取引だけでなく、一般書の関係者とも交流がある。彼に聞けばおトクな情報を得られるが、それなりに「おあし」が必要である。


【オパチ・コバチ】 51歳 文鸚鵡族 第33章

ヤツの口先と指先には気を着けな。菓子屋『グッドテイル』のシロタ一族の元で修行していた、流しの菓子卸商人。サウザスやトレモロ含めた、ラヴァ州の暗部ともつながっている。子供の頃から手先が器用で、スリの腕を磨いていた。その腕はお菓子作りにも活かされている。


【エメリック・ガッセル】 故人 崖牛族 第36章

角も艶めく伊達男。ロイ・ゴブレッティの遠縁にあたる小父さん。建築家で、劇場や舞台設計を得意とする。クレイト劇場の麗艶の歌姫、ブルネッラ・ヴァアルチェローナの元恋人とも噂されている。長年子供が居なかったが、ある時どこかから養子を引き取ったそうだ。



◆有名人◆


【シェリンフォード・ホルム】 昔の人 桃白豚族 第7章 

彼が解けない謎は、神と生命の成り立ちだけだ。アルバにして名探偵。139年前、3州にわたる一大難事件『踊る死神の謎』で有名になり、多くの事件が書籍化され、創作上のミステリー作品まで次々に描かれた。探偵としての名が広まりすぎて、アルバだと知る民衆は少ない。帝国調査隊の一員であり、ショーンの大先輩でもある。


【シュテファン・フーバーバーグ】 昔の人 荒針鼠あらはりねずみ族 第33章

風の音を聞け。アルバの呪術家にして登山家。ルドモンド中の山岳を登り、当時の未踏峰の登頂を次々に成功させた。登山中は呪文を考え、多くの山にまつわる呪文を考案している。ほかの登山家からは魔術の力を使って登頂するのはインチキだと、蛇笏のごとく嫌われている。


【ハイ・ダン (海灯)】 非公開 非公開 第34章

水面を切るような詩を描く。詩人。少年少女の恋愛詩を得意としている。プロフィールは非公開だが、ファンロン州在住とだけ明かされている。37年前に処女作『アーン・ナン・ムア・ヘー (夏の日差し)』で鮮烈なデビューを飾った。7年前から音沙汰がなく、もう亡くなっているのではと心配されている。


【黒爪のゾック】 小説上の人物 猫狼族 第35章 

闇に生きる秘密のスパイ、はたしてその正体は——。ルドモンド大陸で最も人気のあるスパイ小説シリーズの主人公。作者は「テンヱイ誓団」という謎の集団で、正体はごく一部の編集者しか知らないらしい。54年前に1作目が刊行されてから、2~3年に1冊のペースで新刊が今も出版されている。



●用語集●


【古ビブリオ高等学校】 第35章

そこには石像のような本棚と教師がいるらしい。ルオーヌ州にある本と図書の専門学校。イシュマシュクルのような図書館司書だけでなく、多くの作家、文化人、出版関係者を輩出している。白猫のロンゾやハイ・ダン (海灯)もここの出身である。高い崖の上にあり、生徒はさながら修行僧のように通学している。


【コンクルードの泉】 第37章

慈しめ、生命の根源よ。帝都であるコンクルーサス州の中心地にある聖なる泉。ここからルドモンド大陸の人類の歴史が始まったと言っても過言ではない。多くの神話や物語に登場し、学校の歴史でも習うため、みんな存在は知っているが、宮殿内にあるので一般人は立ち入り禁止!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る