ドクタームーン
紗里菜
1話 はじめに
おいらの師匠のドクタームーンは変わりものである。
いちおう、高名な数学学者を父に持つ元物理学者できちんとスーツなどを身につけている品のよい紳士なのだが、おいらには理解できない若年性のまだら惚け認知症を患っている関係上なのか髪の毛は白髪を染めないし、いつも宇宙からのなにかの情報を受信しているように髪の毛もたっている。
しかも、ネクタイは基本的に、曲がっているし、靴紐も自分では結べないから靴だけは紐がない子供みたいなスニーカーを履いている。
うーん、きちんとしてれば西洋人と見紛うほどのハンサムな彫りのよい顔立ちと長身でかっこよいのだが、色々と残念なお方ではあるのだ。
おいおい、熱い師弟関係を語れという話なのに、これじゃ熱くないだろうって?
すまんすまん。お詫びに師弟であるおいらの駄目さも先に語ろう。
おいらは女性は殴れば言うことをきくというのが当たり前の村に生まれた。しかし、おいらは生まれつき注意力が散漫としていたり、師匠のドクタームーンがいうには短期記憶が人より苦手で頭に情報が3つ以上入ると、一つづつなにかの情報を忘れてしまう生まれつきの脳障害を持っている。
おいらの容姿は150センチ代とちびだし、胸もないし、顔のパーツも真ん中に小さく目と鼻と口が同じ大きさで左右対象的に収まっているのと睫毛だけが長いのを人が無理やり褒める平凡なものである。
そんなおいらとドクタームーンとの出会いからまずは話そう。
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