第11話  試験申し込み

 首都のギルドは盗賊を引き渡した町のギルドより一回り大きく、やはり酒場兼食堂が隣に併設されていた。


 ギルドの受付カウンターのの席の数は、先の町では3つだったが流石に首都だけあり、それより規模が大きく5つだった。当然の事ながら冒険者の数も多い。ギルドの作り自体は他の町と大差はない。ただ大きいだけだ。


 フォルクス達はギルドのオープン時間に合わせて行き、オープンと共にダッシュで受付のカウンターに駆けて行った為、一番最初にカウンターに着いた。他国の兵士にしか見えないからだろうか、カウンターにいる綺麗な受付のお姉さんのジト目が痛かった。それでもプロであり、きちんと対応してくれた。


 エルフの若い美人さんだ。座っているので長さは肩より長いとしか分からなかったが見事な金髪だ。優しそうな感じでつい見惚れてしまった。20歳前後かな?と思っていた。フォルクスはエルフの女性と初めて口を聞く事になる。


「ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件を承ります。兵士の方ですか?」


 相手にされないのではないかと危惧していたが、ちゃんと聞いてくれた。


「あのう、僕達昨日この町に着いたばかりなんですけれども、町に着いてすぐに魔法学校の試験の申し込みをしに行ったのですが、ギルドにてホームタウンの登録などをしないと試験を受けられないと聞いたんです。これが必要事項なのですが、この町をホームタウンとして冒険者登録をお願いしたいのです。しかし、今日試験の申込みの〆切日なのですが、間に合いますか?」


 フォルクスとべソンはギルドカードを出した。


「これは失礼いたしました。ランクBとランク C の冒険者様ですね。今手続きをしますので少々お待ちください」


 カウンターの奥に行き、手続きを済ませ5分位で戻ってきた。


「お待たせいたしました。手続きが終わりましたのでカードをお返しいたしますのでご確認をお願いします」


 カードを確認するとちゃんとホームタウンがこの町に登録がされているのが確認できたのでフォルクスがお礼を述べた


「ありがとう、綺麗なお姉さん」


 綺麗なお姉さんと言うが、ストレート過ぎたからか少し赤くなっている受付のお姉さんに一言聞かれた


「あのですね、認識番号は外されているようですが、その装備はどう見ても兵士の格好ですが、ご本人様の装備でしょうか?」


「万が一を考えて慣れ親しんだ装備の方が良いと思って装備しているんです。元兵士です。隣の国から来たんですが、兵役義務は終わりました。無理な撤退戦の殿を兵役完了を条件に引き受けさせられ、何とか終わったんです。尤も、もう俺達は死んだ事になっていると思うので、まあこの装備も貰ってもいいのかなと。ウケ狙いで着ているのじゃないんです。幾度となく死地をくぐり抜けて一緒に戦ってきた自分達のいわば戦装束なんです」


「これは失礼しました。ただ、格好から誤解され兼ねませんので注意をされた方が宜しいかと思いますよ。試験に行かれるという事ですが、推薦状か何かをお持ちですか?」


 そういえばそんなのが有ったなあとフォルクスは別の街のギルドマスターからの推薦状を渡した。


「他の町の推薦状ではありますが、確かにギルドマスターからの書状に間違いありません。こちらでも確認しましたので、これをお持ちください」


 そういうと何かの札を2つ出してきて、カウンターの上に置いて渡してきた。


「これが有りましたら間違いなく受験ができると思います」


「綺麗なお姉さんありがとう!」


 そうやって赤くなっている受付嬢にお礼を述べギルドを後にした。かなり恥ずかしそうにしていた。綺麗だっていわれちゃったと。


 フォルクス達はギルドを後にし、その足でそのまま魔法学校に向かうのであった。


そしてこの後魔法学校にてシーラと出合う事になる。また、物語はシーラ達が服を買った直後に戻る。

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