ネタバレあり)ジャック・ロンドン短編集『火を熾す』
収録作のなかでも「一枚のステーキ」を推したい。
細かいところから書くと、ボクシングのシーンが素晴らしい。15ページにわたる拳闘の描写は緻密にして濃密。リング上の駆け引きを、論理立てて書いてある。
でも、退屈しない。それどころか面白くて、ぐいぐい引きずり込まれる。論理に裏打ちされたアクション(戦闘シーン)が好きな人にはツボのはず。
大きい話をすると、主人公は引退寸前のボクサーだ。
テーマは、世代交代、加齢による衰えというもので、今日の日本でも通じるような気がする。おなじ本に入っている「メキシコ人」や「生の掟」とあわせて読むと、なお一層ぐっとくる。
以下、収録作ではなく、本についての話をほんのちょびっと。
本書『火を熾す』は、2008年に日本で独自に編まれた短編集。約240ページに短編九本と、繁忙期とかでなければ、割と読みやすい量だろう。
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